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京太郎「そんなすばらなモノがあったのか…」 京太郎「そうだ!これを咲達とやれば…ゲヘヘ…」 京太郎「でも俺麻雀弱いんだよな…どうするか…」 京太郎「ん?これは…?」カチカチ 脱衣麻雀も、初期の麻雀ゲームと同じくインカムを稼ぐための「イカサマ」をしているものが非常に多く、 作品によってはコンピューター側が頻繁に役満を上がるものも存在する。 京太郎「なるほどイカサマか…ん?待てよ…?これを利用すれば…」 京太郎「明日が楽しみだぜ…」ニヤニヤ 翌日 京太郎「皆ちょっといいか?」 咲「何?京ちゃん?」 タコス「なんだじぇ?」 和「どうかしましたか?」 京太郎「実は短時間で麻雀が上手になる練習法を見つけたんだ。」 全員「えええ!?」 ワカメ「それでどんな練習法なんじゃ?」 久「私も気になるわね。」 ハギヨシ「私も気になります。」 京太郎「ふふ…その練習法とはな…脱衣麻雀だよ!!」 全員「脱衣麻雀!?」 咲「って何それ??」 タコス「対局して負けた人が服を脱ぐ麻雀の事だじぇ咲ちゃん!」 咲「ええっ!?」 京太郎「その通りだ。」 咲「え、えっちなのはよくないよう…」 京太郎「そこだ!」 咲「ふええ!?」 京太郎「負けたら恥ずかしい思いをする。だから皆負けないよういつも以上に本気で打ち合う。そこにこの練習の意味があるんだ。」 咲「で、でも…」 和「私も須賀くんに賛成です。」 咲「原村さん…」 和「極限まで追い詰められて打っている方が効率良く練習できると思います。色々と。」 タコス「そうだじぇ!」 久「まあ一理あるかもね。」 ワカメ「じゃな。」 ハギヨシ「ですよね。」 咲「皆がそういうなら…うん、私もやってみる!」 京太郎(計画通り…!) 京太郎「それじゃあ俺と咲、ハギヨシさんとワカメ…じゃなくて染谷先輩の四人で始めるぞ」 京太郎「半荘を一回行って四位の人が罰ゲームとして服を脱ぐ。いいな?」 咲「準備OKだよ!」 ハギヨシ「私も大丈夫です。」 ワカメ「誰がワカメじゃ!まあええ準備OKじゃ。」 京太郎「よし!始めるぞ!」 東一局 京太郎(狙いは咲一択…他は眼中に無いぜ!) 京太郎(とりあえず高めを狙ってこうか…) ハギヨシ(狙いは京太郎様一択です。悪いですが狙い撃ちさせて頂きましょう。) 咲「カン!」 全員「!!」 咲「嶺上ツモ!250・500!」 京太郎「いきなりかよ!」 タコス「さすが咲ちゃんもう嶺上で上がったじぇ!」 久「やっぱやるわねー。」 和「ちっ…」 咲「あはは…」 京太郎(やっぱ咲は強いな…だが俺には秘策があるんだ…負ける訳が無い…) ワカメ(脱ぐ準備をしとこうかのう…) 和「わ、私が入ります!ハギヨシさん代わってください!」 ハギヨシ「え?あ、はいどうぞ」 タコス「お?のどちゃんやるきだじぇ?」 和(ここはなんとしても宮永さんを・・・!) 東2局 親:和 京太郎 30000 咲 30000 ワカメ 20700 和 39300 和「(うぎぎ、ワカメェ…やむなし) 染谷先輩、それロンです」 ワカメ「アウチ」 和「次こそは宮永さんから・・・!」 京太郎(和の脱衣・・・アリですね) 東3局 親:京太郎 京太郎 38900 咲 30000 ワカメ 11800 和 39300 京太郎「よしきた!ロン!(ってワカメ先輩・・・)」 ワカメ「京太郎・・・そんなにワシの裸みたいんか?」点棒ポイ 京太郎(・・・ナシですね) 南3局 親:京太郎 京太郎 45500 咲 32400 ワカメ 10600 和 39900 ワカメ「久…ワシと代わってくれんかの?」 久「は?いやよ」 ワカメ「(あとでワカメ酒させちゃるけん)」 久「仕方ないわね///」 京太郎(部長か・・・ワカメじゃないならだれでもいいや) 和(くっ・・・ここはなんとしても咲さんを狙うしかないですね) 咲(・・・) 南4局 親:ワカメ 京太郎 45500 咲 33400 ワカメ 11200 和 39900 京太郎「あ、それロン」 和(´・ω・`)ショボーン 半荘終了 京太郎 52600 咲 33400 久 11200 和 32800 タコス「京太郎・・・エロスの神が舞い降りてるじぇ・・・」 京太郎「さてさて部長、約束通り脱いでもらいましょうかグヘヘ」 (以下略) カン
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【銭湯】 一同「混浴!?」 番頭「最近お客が来なくなってねえ、これなら家族もアベックも来やすいと思ってねえ」 京太郎(この面子で混浴なんて願ってもみないビッグチャンスじゃないか!) エイスリン「コンヨク?」 華菜「京太郎と一緒に入れるってことだし!」 エイスリン「イクノ?」 郁乃「京太郎くんと一緒に入れるってことやで~」 エイスリン「ヤタッ!」ニコッ 華菜「なんで無視するんだし!」 照「京、私のスタイルに酔いしれるといい」 京太郎「いやそれだけはないから安心しろ」 霞「昔は別々だったのに……」 京太郎(これで霞さんの胸を生で……) 番頭「あ、水着は着るようにな」 京太郎「は……?」 カポーン 京太郎「シャワーが共同なだけまだマシか……」 京太郎「皆が入って来るまで何しよ」 京太郎「待ってるか……」 ガララ 照「京、もう来てたの」 京太郎(レーザーレーサー!?身体洗えねえだろ!) 照「これが似合ってるって言われた」フフン 京太郎「出るとこ出てないからだろ」 照「…………」ズーン エイスリン「キョウタロー、オマタセ!」 京太郎「」ブフォッ 京太郎(白の紐……だと……)ドバドバ 京太郎(エイスリンさんは無いものだから興味が無かったが)ドバドバドバドバ 京太郎(くっ……)ドバドバドバドバドバドバドバドバ 京太郎「天使、か」ガクッ 照「きょ、京ーー!!」 華菜「おーい京太郎ー起きろー」ペシペシ 京太郎「ん……」ムクッ 霞「顔色悪いけど、大丈夫?」 京太郎(ハイレグ……)チラッ 霞「京太郎くん?」ドタプーン 郁乃「も~寝るの早いで~」 京太郎(この中だと郁乃さんが一番普通なんじゃ……)チラッ 郁乃「どうどう?似合っとるか~?」ポニョン 京太郎「郁乃さんらしくていいと思いますよ……」チラッ 霞「こっちはどうかしら?」ドタプーン 京太郎「」ブフォッ 霞「えっ?京太郎くん?京太郎くん?」ユッサユッサ 怜(先生に行ってみたらどうや、って言われて近所の銭湯に来たはええけど……) 照「これなら泳げるかも」←レーザーレーサー エイスリン「~♪」シャアァー←白の紐水着 華菜「はぁー今日も疲れたなー」←薄桃色のワンピース 郁乃「京太郎く~ん、大丈夫~?」←黒のマイクロビキニ 霞「京太郎くん!京太郎くん!」←白のハイレグ 京太郎「Oh yes...」ドバドバ 怜「何やこの惨状は……」 京太郎「うおぉ……クラクラするぅ……」 照「京、大丈夫?」 京太郎「お前なら何とか大丈夫だ」 照「…………」ジトッ 京太郎「冗談だから!殺気感じるからやめて!」 照「…………わかった」 照「その代わりに、京の背中を流す」 京太郎「何の代わりだよ……」 照「私に任せて」 京太郎「……じゃあよろしく」 照「うん」 照「どう?」ゴシゴシ 京太郎「んー気持ちいいぞー」 照「良かった」ゴシゴシ 京太郎「毎日やってほしいくらいだぜ」 照「…………」 京太郎「照?手ぇ止まってるぞ?」 照「ごめん」 照(毎日……) 照「……」ギュッ 京太郎「おっ、おい、照、何だよ?」 照「京の背中、大きい」ギュッ 京太郎「おーい?聞こえてるかー?」 京太郎「ちょっと当たってんだけど……」 照「……当たってるんじゃない、当ててる」ギュッ 京太郎「お前に言われてもなぁ……」 照「」プチッ ミシミシミシミシ 京太郎「照!?腹!腹がおかしなことになるガハッ!」 ミシミシミシミシ 京太郎「柔らかい!十分柔らかいから!興奮するから!」 照「…………」 照(ずっとこうしていたい)ギュッ ミシミシミシミシ 京太郎「グハァッ!」 京太郎「」チーン 怜「京くーん、起きとるかー」ツンツン シャァー 照「終わったよ」 京太郎「おう、あんがとな」 照「身体洗ってくるから先にお風呂入ってて」 京太郎「あー、じゃあ俺が洗ってもいいか?」 照「えっ……」 京太郎「おい何だその汚物を見るような眼は」 照「だって京はセクハラしてきそうだし……」 京太郎「しねーよするわけねーだろ」 照「」プチッ メキメキメキメキ 京太郎「あああああアイアンクローやめて!」 メキメキメキメキ 京太郎「わかった!セクハラするから!照の身体エロくてセクハラしちゃうから放して!」 照「そういうことなら……いい」 京太郎(何だこのやり取り!) シャアー 京太郎「シャンプー入るかもしんないから目瞑ってろよ」 照「子どもじゃないんだから大丈イッ!」 京太郎「ほれ言わんこっちゃねえ」 照「…………」シュン 京太郎「顔は後で洗えよ、で問題は身体だけど……」 京太郎(レーザーレーサーぴっちりしすぎだろ……) 京太郎(洗う方法つったら脱がせる……禁止されてるからダメだな) 京太郎(だとすれば……) 京太郎(水着の中に手を入れる!) 京太郎「照、ちょっと我慢しろよ」 照「何をする気、ひゃっ!」 京太郎「こうでもしねえと洗えねえんだよ」ゴシゴシ 照「……後で覚えてて」 京太郎「やなこった」ゴシゴシ 照「冷たいよ」 京太郎「俺はあったかいぜー」 京太郎(照の肌、こんなに柔らかかったんだな) 京太郎(洗ったばかりだからいい匂いもするし、少し色っぽい) 京太郎「」ムクッ 照「?」ビクッ 照「京、骨が当たってるみたい」 京太郎「骨?」 JR京太郎「ムクッ」 京太郎(サポーターが効いていないのか!?) 京太郎「お、おう、もうちょい待っててな」ゴシゴシ ムニョムニョ 京太郎(今は萎えるのを待つしかない!)ゴシゴシ ムニョムニョ 照(さっきからくすぐったい……でも人の身体にこんな尖った骨があるのかな?) 照「……」フリムキ 京太郎「うわっ、見るな!」 照「…………」 京太郎「」ムクッ 照「」 京太郎(これってひょっとしたら死ぬんじゃあ……)ダラダラ 照「…………」ツンッ 照「京、この骨は何?」 京太郎(……気づいていないのか?) 照「少し柔らかいけど……」ツンツン 京太郎(保健体育とかは寝てそうだもんなぁ……) 照「?」ツンツン 京太郎(照には男特有の骨ってことで納得してもらった) 京太郎(昔は四人で風呂入ったんだけどな……) 霞「はぁ……」 京太郎「そんなため息ついてどうしたんすか?」 霞「私の身体、少し水着だと洗いにくいのよね……」 京太郎「……ああ、なるほど」 霞「この際京太郎くんでいいかしら……でも……」ブツブツ 京太郎(俺ってどんだけ信頼無いんだろう) 京太郎「霞さん!俺を信じてください!絶対に霞さんのおっぱいを弄ったり揉んだりしたいなんて思ってませんから!」 霞「いまいち信じられないのよね……」 京太郎「この目を見てください!」ギン 霞「心底信頼できなさそうね」 京太郎「俺の評価低すぎるでしょ!」 霞「そうねぇ……目隠ししてくれたら、お願いするけど」 京太郎「了解しました!」キラキラ シャァー キュッ 京太郎「終わりましたよ」メカクシ 霞「ありがとう、助かったわ」 京太郎「いえいえ、どういたしまして」 京太郎(予想外だった……) 京太郎(まさか目隠しをするだけではなく) 霞「」ニギッ 京太郎(玉質を取るとは……!) 霞(はっちゃんの男対策実際にやってみたけど……) 霞(……癖になりそうな触り心地ね)ニギッ 京太郎「ヒィッ」 京太郎「死ぬかと思った……」 エイスリン「」ジーッ 京太郎「?」 京太郎(何か視線を感じるような……)チラッ エイスリン「……」プクーッ 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「!」アワワワ 京太郎「何やってるんですか?」 エイスリン「キョウタロー、ワタシモ!」 京太郎「え?」 エイスリン「ワタシモ!……?」ハテ? エイスリン「…………アゥゥ」 京太郎(エイスリンさん、何が言いたいんだ?) 京太郎(ホワイトボードも無いし……そうだ!) 京太郎「エイスリンさん!」フキフキ エイスリン「?」 |write me!| 京太郎(鏡を使えばいいんじゃないか!) エイスリン「!」フキフキ |エイスリンが泡だらけになっている絵| 京太郎「つまりエイスリンさんも俺に洗え、と」 エイスリン「!」コクコク 京太郎(他の二人よりは楽そうだし……まあいっか) 京太郎「そこで洗いましょうか」 エイスリン「アリガトウ!」 京太郎「どういたしまして」 京太郎「お痒いところはございませんかー?」ゴシゴシ エイスリン「ダイジョーブ!」 京太郎(胸は中寄りの小、さして興味はない) 京太郎(だがこの水着がいけない、どう考えたって誘ってるんだもの) エイスリン「キョウタロー?」 京太郎(いや待てよ?照がアレだったんだ、エイスリンさんなら……)ゴクリ 京太郎「あー手が滑ってしまったぞー」ボウヨミ ツルッ エイスリン「ンッ……?」 京太郎(集中しろ!須賀京太郎!) サワッ エイスリン「ッ!」 エイスリン「……キョウタロー……?」 京太郎「まだじっとしててくださいねー」 エイスリン「……?」 サワサワ エイスリン「ンンッ!!」 京太郎(触るだけでこんなになるなんてどれだけ……) 京太郎(あと一回……いや三回、いやいや五回……) サワッ エイスリン「ハァッ……ハァッ……」ビクッ ビクッ 京太郎(やりすぎたかな?) 京太郎(あとはちゃんと脚とか洗わないと……) 京太郎「あーすっきりしたー!」 照「気持ち良かった」ポカポカ エイスリン「キモチヨカッタ!」ポカポカ 霞「たまにはこういうのもいいかもしれないわね」ポカポカ 郁乃「楽しかったな~」ポカポカ 華菜「カナちゃんを楽しませるとはよくやるし!」 怜「なんでこの人たちと一緒におるんやろ……」 郁乃「お風呂上りと言えばやっぱりコーヒー牛乳やな~」 照「いちご牛乳が一番だと思う」 霞「普通の牛乳もいいと思うけど?」 怜「フルーツ牛乳でもええやろ」 エイスリン「?」 華菜「コーラに決まってるだろ!」 ヤイノヤイノ 京太郎(俺はどうしようか) 京太郎(こういう銭湯とかに来たときはいちご牛乳って決めてるんだよな) 京太郎「照ー、いちご牛乳買おうぜー!」 照「やっぱり京はわかる子だね」グッ 京太郎「風呂上りだと牛乳といちごの両方の甘さが強まって美味いんだよな!」 照「それがあの人たちにはわからんのですよ」 京太郎「くくくっ、可哀想な奴らめ」 一同「」イラッ 照「それじゃあ買いに行こう」 京太郎「おうよ!」 京太郎(……だんだん、照の言葉の端に気持ちが見えるようになってきた) 京太郎(気のせいかもしれないけど) 照「京、一口いる?」 京太郎「俺とお前で同じもの飲んでるだろ」 照「それもそうだけど……」 照「…………」シュン 京太郎「…………はぁ」 京太郎「ほらよ、一口」つ瓶 照「ありがとう、私も」つ瓶 ゴクッ 京太郎「うん、やっぱり美味い!」 照「うん」 京太郎(あれ?これって間接キスなんじゃ……)チラッ 照「?」 京太郎(……ま、照がそんなこと知ってるわけないし) 京太郎(照が狙ってるとは思えないから、違うか) 京太郎(畜生、恥ずかしがってる照を期待した俺がバカだったぜ!) 【11月第4週 平日2】終 【夜】 「年末にはそっちに帰って勉強するつもりだよ」 「その話だけど、あなたはいいの?」 「そっちでできたお友達と過ごせる時間、ニホンならあと四か月もあるんでしょ?」 「もうやりたいことはやれたからいいよ」 「ニホンの大学にだって、支援はしてあげるのに、どうして画家なんて目指すの?」 「麻雀もまだ続けたいんでしょ?」 「麻雀は、みんなの足を引っ張ってばかりだからやめようと思うの」 「それならニホンにいるより、そっちの大学に行って、おじいちゃんのところで絵の勉強がしたいなって」 「……そう、わかったわ。そっちはもう夜遅いんでしょう?もう切るわね」 「ありがとう、お母さん」 「おやすみ、エイスリン」 エイスリンが清々荘からいなくなるつもりのようです 【街】 郁乃「~♪」 郁乃(今日も楽しかったな~) 郁乃(京太郎くんといっぱい話せたし~こんなんやったらずっとこのままでもええかもな~) 「おい、そこの姉ちゃん」 郁乃「は~……」 「ちょっと寝たってな」 ドゴッ 郁乃「ッ!」 チンピラ1「ええ顔のしかめ方やなぁ」 チンピラ5「あーせや、こんな顔やったわ。まさか最新の睡眠薬が成長を退行化?させる薬やったとはなぁ」 チンピラ4「写真ともピッタシ!正真正銘の赤阪郁乃はんやな」 チンピラ2「あぁ、元姫松の代表やったっけ?」 チンピラ3「こないな上玉襲おうとしとったとはなぁ」 チンピラ1「なんでもええ、はよ車に運びぃ」 郁乃(この人たち……あんときの……) 郁乃(なんで、また見つかってもうたんや) チンピラ6「クルマガデルデー」 郁乃(助けて……) 郁乃が清々荘からいなくなりました 【11月第4週 休日】 京太郎「あんな広い風呂に入ったおかげからか身体が楽だ!」 京太郎「早起きも楽々だし、絶好調だ」 京太郎「こんな朝は何をしよっかなー」 朝 京太郎「ちはーっす!」 由子「京ちゃん、こんにちはなのよー」 おっさま「今日も頑張ってなー」 京太郎「今日はエイスリンさんいないんですか?」 おっさま「奥におるけど、少し元気が無いように見えたな」 京太郎「そうですか、わかりました」 由子「あっちの卓にホットコーヒーよろしくなのよー」 エイスリン「ワカッタ」 京太郎「エイスリンさんそれアイスティーですよ!」 エイスリン「ア……」 京太郎「ホットコーヒーはこっちです、しっかりしてくださいね」 エイスリン「ウン……」シュン 京太郎(なんかいつもと違うような気がするな……) カランコロン 京太郎「あっ、いらっしゃいませ!」 京太郎「――――って、照かよ」 照「京、にエイスリン?」 京太郎「ああ、俺たちここで働いてるんだよ」 照「ふーん……じゃあ次、私と打って」 京太郎「おう!受けて立つぜ!」 結果 京太郎 51+200+35+30=316 照 1+152+90=243 由子 73+120+15=208 エイスリン 57+105+15=177 京太郎「ツモ、4000・8000」 由子「また京ちゃんの一人浮きなのよー」 照(……京ちゃん?) エイスリン「マタ、キョウタローニマケタ」シュン 照(キョウタロー……) 京太郎「ここまで照に勝てるようになるとはなー、あっはっはー!」 由子「最近の京ちゃんはホンマ強いわぁ」 照(京ちゃん……) 照(なんかむかむかする……)ムスー 京太郎「照、どうかしたか?」 照「なんでもない」ムスー 京太郎「?」 由子「お茶いれてきたのよー」 京太郎「ありがとうございます!由子さんのお茶好きなんですよ!」 由子「京ちゃんに喜んでもらえるとこっちもうれしいのよー」 キャッキャ 照「むぅ……」プクー カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 洋榎「ほぇー、こんなとこで働いとったんかー」 雅枝「京太郎、リベンジや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎「ええっ、何すかいきなり!」 洋榎「京太郎に勝てばウチが日本一なんや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎(なんだこの親子……面倒くせぇ) カランコロン 由子「いらっしゃいませー」 小蒔「わぁ、ここが雀荘ですかぁ」 初美「滅多に来れませんからねー」 初美「むむっ!あそこに須賀京太郎がいるのですよー」 京太郎(さらに面倒くさい雰囲気……!) 京太郎「あ、あははー、どうもー」 小蒔「須賀さん、お久しぶりですっ!」ペコッ タユン 京太郎(前言撤回、ここはさながら天国だ) 洋榎「あ!アンタ永水の先鋒やないか!」 小蒔「愛宕さん、でしたっけ?もお久しぶりですっ!」ペコッ タユン 洋榎「」イラッ 洋榎「なぁ、オカン、ウチ神代と打ってもええか?」 小蒔「えっ、どうしてですか!?」 洋榎「けったいな胸しよってからに……」ギリッ 京太郎「今回も勝ちますよ!」 小蒔「私が勝ちます!」グッ タユン 洋榎「神代……飛ばしたるわ」イライラ 初美「姫松の主将も子どもっぽいですねー」 洋榎「見た目小学生に言われたないわ!」 結果 京太郎 24+200+35+30=289 小蒔 52+(100+160)÷2+30=212 洋榎 88+133+15+15=251 初美 12+116+30-30=128 初美「なんで蚊帳の外だったはずの私が一人沈みなんですかー……」 洋榎「やっぱり女は胸やないっちゅうことやな!」ペターン 小蒔「はっちゃん、元気出してください!」タユン 初美「うわーん!姫様ー!」 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 洋榎「やっぱり洋榎ちゃ「なんか」」 京太郎「こうして見てると親子みたいですね」 小蒔「そうですか?」 洋榎「あ、あのー」 京太郎「薄墨さんが子どもで神代さんがお母さん、みたいな?」 小蒔「それなら須賀さんはお父さんですね!一緒にはっちゃんをなでなでしましょう!」 京太郎「どういう理屈!?」 洋榎「…………」ブ゙ワッ 京太郎「いいこいいこー」ナデナデ 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 初美「私はそこまで子どもじゃないのですよー」ニヘニヘ 洋榎(あかん……入りにくい雰囲気が作られとる……) 京太郎「言動と行動が一致していないような……あ、洋榎さんもなでなでしますか?」 洋榎「ええんか!?」パァァ 京太郎「洋榎さんは姉ポジションということで」 洋榎「ほなウチも!」ガバッ 初美「もうこれ以上撫でないでほしいのですよー」 洋榎「…………」ガーン 洋榎「…………」シュン 雅枝「京太郎、国麻から勢いづいとるな」 由子「ここ最近負けなしなのよー」 雅枝「男子やっちゃうんに大したやつやなぁ」 エイスリン「…………」 夕 京太郎「今日はなんかいっぱいもらえたな」 京太郎「奮発して買い物しよっと」 京太郎「何を買おうかなーっと」 京太郎「麻雀教本、小説、参考書……あれ、あの人は……」 お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王!…2800円 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.参考書…900円 憩「文系科目はええとして、理系科目……」 京太郎「」コソコソ 憩「数学はやっぱり赤チャートがええかな……」ブツブツ 京太郎「わっ!」 憩「ひゃぁっ!」 京太郎「びっくりしました?」 憩「なんや京太郎くんかぁ、心臓が止まるか思ったわ」 京太郎「何探してるんですか?」 憩「参考書を探しとったんやけど、京太郎くんは?」 京太郎「俺は麻雀の教本とラノベを」 憩「京太郎くんも勉強せなあかんで」 京太郎「それはわかってんですけど、どうも集中できないというか……」 憩「ふふっ、京太郎くんらしいなぁ」 京太郎「憩さんはどうしてそこまで勉強をするんですか?」 憩「お医者さんになれー、って言われとるからなぁ」 京太郎「ああ、お父さんでしたっけ」 憩「……うん」 京太郎「嫌なら嫌、って言った方がいいと思いますよ」 憩「それもそうなんやろうけど……」 憩「……あ、もうこんな時間かぁ。ごめんな、もう行かな」 京太郎「そうですか、じゃあまた!」 憩「はーい、またなー!」 京太郎「憩さん、あんなんでいいのかよ……」 京太郎「あーもう!暇だ!」 夜 京太郎「そうだ、今日は照と菓子パーティーか」 京太郎「メールで呼べばいいだろ」 京太郎「さて、何を食べよう」 ガチャ バタム 京太郎(出てくるの早いな) トタトタ ズルッ 京太郎(なんでこの短距離で転ぶんだよ!) コンコン 京太郎「おう、入れ入れ」 照「……うぇぅ、ぐすっ」ボロボロッ 京太郎「あーあ、膝擦り剥けてるじゃんか、早く入れ」 照「うん」 京太郎「ったく、どういう転び方したんだよ」 照「こう、ズルッと」 京太郎「わからんわ」 京太郎「絆創膏付けて終わりっと」 照「お菓子、どこ?」 京太郎「お前それしか頭にねえのな」 照「そのために来たから」 京太郎「……どうせ俺はどうでもいいんだよな……」ウジウジ 照「あ……そ、そんなことはないよ」アセアセ 照「京も、大好きだよ……?」 京太郎「どうして疑問形なんだよ、まあいいや早く食おうぜ」 照「お菓子は?」 京太郎「ああ、これだよ」 照「こっ、これは……!」 照「東京駅の名店のスイーツセット!」 京太郎「他にもあるけど今日はこれだ」 照「美味しそう……」ジュルリ 京太郎「涎垂れてるぞ」 照「あうっ」フキフキ 京太郎「チーズケーキとプリンケーキ、どっち食べたい?」 照「どっちも」 京太郎「どっちか」 照「…………」ウーン 照「…………」ウーーン 照「…………」ウーーーン 京太郎「おーい、照ー」 照「…………Zzz」 京太郎「寝るな」ペシッ 照「うむっ!」 京太郎「じゃあ半分こでいいか?プリンケーキとチーズケーキそれぞれ」 照「全部食べたい」 京太郎「お前なぁ……」 照「……しょうがない、従う」 京太郎「じゃあ照が先にプリンで、俺がチーズな」ヒョイ 照「うん」 京太郎「いただきます」 照「いただきます」 京太郎「ん……」パクッ 照「……」パクッ 京太郎「うまい!」テーレッテレー 京太郎「そっちはどうだ?」 照「」ニコニコ 京太郎「美味いんだな」 照「京、はい」スッ 京太郎「いいのか?」 照「こうすれば簡単に半分こできるから、あーん」 京太郎「あーん」パクッ 京太郎「お!こっちも美味いな!じゃあ今度は……」スクッ 京太郎「ほい、あーん」 照「……」パクッ 照「……」ニコニコ 京太郎「美味いか?」 照「うん」 京太郎「ふー、食った食ったー」 照「おいしかった」 京太郎「また暇があったら食べるか?」 照「また半分こしたい」 京太郎「だな」 照「スプーンと容器持って帰ってもいい?」 京太郎「綺麗だもんな、二つともいいぞ」 照「ありがとう、じゃあもう帰る」 京太郎「おう、じゃあな」 照「……ふふ」 ガチャ バタム 京太郎「何か今背筋がゾクッとしたような……」 京太郎「風呂入ろ」 シャァー 京太郎「ケーキ美味かったなー、食べさせ合いは予想外だったけど……!?」 京太郎「待てよ……俺がやっていたのは……」 【照の部屋】 照「」クンクン 照(京の匂い……)クンクン 照(これは残った食べかすがあるから……)ペロッ 照「……おいしい」 夜 京太郎「もうすることもないし寝よ……」 「いよいよ夢の対決!」 「男子トッププロVS女子トッププロ!」 「男子代表は須賀京太郎!」 「彼を卓で待つのは女子のツートップ!野依理沙!戒能良子だぁぁー!」 ワァァァ- 理沙「負けない!」プンスカ 良子「たとえ京太郎が相手でも、ベストを尽くすよ」 京太郎「上等です。下剋上、見せてやりますよ!」 ワァァァー! 「男女対抗戦!開始ィィィィッ!」 【11月第4週 休日】終 【12月第1週 平日】 京太郎「充実した夢を見た気がした」 京太郎「身近に感じてたけど、良子さんも凄い人なんだよな」 京太郎「俺もいつかあの人たちに並び立てるのかな……」 朝 京太郎「うぅ寒ぃ……」 京太郎「マフラー編まないとな……」ガクガク 郁乃「京太郎く~ん!」タッタッ 京太郎「おはようございます、郁乃さん」 郁乃「おっはよ~」 京太郎「?痩せましたか?」 郁乃「そないにスリムに見える~?」 京太郎「ええ、まあ」 郁乃「えへへ~なんか照れるな~」 京太郎(そういえば、土日は郁乃さん見かけなかったな……) 京太郎「そうだ、来年のスマブラの新作ってどう思います?」 郁乃「むらびとさんはおもろかったな~、それになかなか強いやんあれ」 京太郎「チャージショットを拾うとか正気の沙汰じゃないですよね」 郁乃「まあうちのガノンちゃんにはつう」 郁乃「WiiFitトレーナーさんも、人選おかしいやろ」 京太郎「今回はネタに走りすぎてる気がしますね」 郁乃「切り札もマリオに似とるしな~」 京太郎「ロックマンはかっこよかったですよね」 郁乃「あの子ははよ使うてみたいな~エグゼくんもおってプログラムアドバンスとかも使えればさらに面白そうやけど」 京太郎「他キャラとソウルユニゾンとかも……ってカービィで十分か」 郁乃「クッパソウルとか見てみたいな~」 京太郎「来年買ったら皆でやりましょうか、果たして誰が一番強いのか!」 郁乃「…………来年、か」 京太郎「どうかしました?」 郁乃「いや~来年でスマブラ歴15年の私を舐めてもろたら困るな~」 京太郎「俺だって伊達にスマブラ歴12年を名乗ってませんからね、負けませんよ」 郁乃「そういえばポケモンって――――」 昼 エイスリン「……」カキカキ 京太郎「誰かいますかー」 エイスリン「」ビクッ 京太郎「エイスリンさん?珍しいですね、部室にいるなんて」 エイスリン「キョウタロー、オベントウ?」 京太郎「一緒に食べますか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「今日は部室の絵を描いてるんですか?」 エイスリン「オモイデヅクリ」 京太郎「あと3か月ですもんね」 エイスリン「…………」ウツムキ 京太郎「エイスリンさんは、どうするんですか?」 エイスリン「……カエル」 京太郎「ニュージーランドの大学ですか」 エイスリン「」コクッ 京太郎「でも確かニュージーランドには麻雀はまだマイナー競技なんですよね」 エイスリン「ダカラ、マージャンヤメル」ウルウル 京太郎「えっ?」 エイスリン「キョウタローモ……アエナイ」ポロポロ 京太郎「…………そうですか」 京太郎(エイスリンさん……予想はできたことだけど) 京太郎(ああして泣いてるのを見るのは、堪えるなぁ) 京太郎「俺と照が見学か」 照「菫とは違ってお菓子食べ放題」 京太郎「あんまり食うと太るぞ」 照「……」ムニッ 照「…………」ガーン 照「暇つぶし」ピッ 京太郎「だからってなんでテレビつけんだよ……」 テレビ「六月に統一牌騒動で世間を騒がせた加藤良三氏は――――」 京太郎「あ、この人こんなことになってんのか」 照「誰?」 京太郎「六月くらいにプロリーグであっただろ、統一牌問題」 照「統一牌?」 京太郎「従来の統一牌は削りにくいように作られてたんだけどこの人が作ったのは削りやすく作られてたんだよ」 照「削る?」 京太郎「まあ細かいことは置いておいて、そんでそんときのこの人の言葉が「私は知らなかった」とかで無責任だーって言われてたんだよ」 照「……?」 京太郎「お前には難しい話だったな、ごめん」 照「莫迦にしないで、私にもわかる」 京太郎「疑問符散々出してたやつが何言ってやがる……」 霞「京太郎くん、ちょっとこっちに来てくれるかしら、照ちゃんは卓に入ってて」 照「わかった」 京太郎「頑張れよ」 照「言われるまでもない」 京太郎「ははっ、そうかよ」 京太郎「で、何の話ですか?」 霞「連盟から連絡があってね、これ」 京太郎「えーっと、プロ・アマ交流戦監督に就任……?」 霞「今年の交流戦は学年対抗らしいのよ」 霞「各学年二チーム、プロは一チームと高麻連公認の選手、つまり私たち教員+プロの一チーム」 霞「合計八チームで行われるんですって」 京太郎「それで俺には二つ目の一年生チームの監督をしろ、と」 霞「そゆこと、あなたは兼任監督だけどね」 京太郎「じゃあ俺も打てるってことですか?」 霞「まあそうね、一年生の候補シートはその二枚目にあるから頑張って考えてね」 京太郎「はい!……てか決定事項なのかよ」 霞「それじゃあみんなのところへ戻りましょうか」 プロ・アマ交流戦、一年生チームBの兼任監督に選ばれました! 夕 京太郎「対戦方式はいつもとは違って四人制」 京太郎「先鋒、次鋒、副将、大将の四人と学生は二人の補欠」 京太郎「俺がどっかに入るとしてあと五人か……」 京太郎「部屋に戻って考えるか、誰かと帰りながら相談でもしようかな」 照「京、これで帰るの?」 京太郎「待ってたのか?」 照「べっ、別に京のことを待とうと思ってここに立ってたわけじゃないんだからね」マガオ 京太郎「その台詞をお前から、しかもそんな無表情で言われてもな……」 照「せっかく本読んで勉強したのに」 京太郎「その本はアテにならないから捨てておけ」 照「そうする」 照「京が好きな台詞とかは無いの?」 京太郎「好きな台詞?」 照「私に言われてみたいこと」 京太郎「そう言われてもなぁ……」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が監督……ってことは女の子たちとウハウハできるのか……」 京太郎「ここは最近の女子高生の話を聞いておこう」 京太郎「できれば同学年で……片岡は論外、泉は身体の感覚おかしいし、もこもアテにならなさそうだし」 京太郎「淡も……あいつは寝てそうだな」 京太郎「咲に送ってみるか」 京太郎『元気かー』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『何なのいきなり』 京太郎『咲に聞きたいことがあったんだ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『今小説のちょうどいいところなんだけど』 京太郎「懐かしい流れだな、ここは……」 京太郎『咲にしか頼めないことなんだ!お願いします咲様!』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『しょうがないなぁ、天使な咲ちゃんにお任せあれ!』 京太郎『どこが天使だよちんちくりんのくせに』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『へぇーそんなこと言っていいんだ?』 京太郎『ごめんなさい許してください俺の話を聞いてください』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いいよ、何?』 京太郎『全国大会で可愛かった一年生おせーて』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『ねえ京ちゃん怒っていいかな?怒っていいよね?怒るしかないよね?怒らずにはいられないよね?』 京太郎『もちろん咲は可愛いと思うぞ、ちんちくりんだけど 咲を除いた子だと誰が可愛いかなって思ってさ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『一言余計だよね でもそういうことならまずは』 京太郎「よし、咲の話を聞いて作ってみたぞ!」 岩手 南浦数絵 ポニーテールなクール系可愛い 東京 大星淡 天真爛漫だけど心が折れそうになった時の表情が可愛い ?慧宇 留学生で、日本語も上手、お団子が可愛い、胸もある(画像検索参照) 長野 片岡優希 タコス モモ 胸がある、可愛い 愛知 対木もこ 小柄で可愛い、どこか放っておけない感じ 大阪 二条泉 夏服はヘソ出しノースリーブの大胆ファッション、おびえたときの声が可愛い 奈良 高鴨穏乃 血気盛んなポニーテールっこ、案外小柄で可愛い 新子憧 モダンな雰囲気の女子高生、男が苦手らしい 兵庫 森垣友香 帰国生、胸もある、元気で可愛い 安福莉子 花のカチューシャ、高鴨に振り込んだときの顔が可愛い 鹿児島 滝見春 黒糖をいつも食べてる、ポニーテール?で胸もある、大人しいけどごくごく稀に見せる笑顔が可愛い 京太郎「ふぅ、こんなもんか」 咲『こんなところかな』 京太郎『参考になった!ありがとな、咲がいてくれてよかったよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いつもよくそんなことが言えるね、それじゃあおやすみ』 京太郎『おやすみー』ピッ 京太郎「大会はクリスマスイブ、そのちょっと前に合宿を開くこともできるそうだ」 京太郎「日程とかも俺が考えなきゃいけないのか……面倒くさそうだな」 【12月第1週 平日】終 京太郎「候補リストは……これか」 京太郎「手順はメンバー六人、俺がいるから五人を選出」 京太郎「後に合宿、もしくは全員練習を行いオーダーを決定、連盟へ提出か」 京太郎「メンバーを先に決めなきゃならねえのが難点だな」 京太郎「候補リストは……これか」 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 白糸台 大星淡 雀力124 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 宮永咲 雀力156 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 高鴨穏乃 雀力124 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 鹿児島 永水女子 滝見春 雀力124 京太郎「この中から選ぶのか……」 京太郎「詳細情報は次のページから、か」 京太郎「誰のを見てみよう」 京太郎「南浦さんは南場からの勢いが圧倒的、対照的に片岡は東場の勢いが強い」 京太郎「淡は他家の手を遅めてからの早和了り、ハオさんは随分と変な和了りをするみたいだ……なぜだ?」 京太郎「水村さんと安福さんと森垣さんはデータが少ないから何とも言えないが、森垣さんは帰国子女で高火力選手か」 京太郎「滝見さんは守備が堅いみたいだ」 京太郎「泉と憧は安定して上手いらしいな」 京太郎「……さて、誰を選ぼう」 京太郎「本気で勝ちに行くなら咲と淡は呼んでおこう」 京太郎「他の三人は……」 京太郎「咲、淡……」 京太郎「高鴨、と滝見さんが安牌か?」 京太郎「これで俺も含めて五人、っと」 京太郎「あと一人……どうしよう」 残留候補リスト 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 京太郎「咏がこのリストにいるってことは麻雀はまだ続けてるってことなんだよな」 京太郎「…………」 京太郎「また、あいつと一緒に戦いたいな」 京太郎「……決めた!」 京太郎「咲、淡、高鴨、滝見さん、咏」 京太郎「これでいいよな、うん」 京太郎「でも咲の情報と照らし合わせると……」 咲→まな板 淡→大人しい 高鴨→平地 咏→せんべい 滝見さん→大きい 京太郎「…………」 京太郎「巨乳ハーレムかぁ、やってみたかったなぁ」 京太郎「まあいいや、次は合宿の日程だな」 京太郎「大会は三週間後で今週は無理らしいから来週か再来週のどっちかだよな」 京太郎「再来週から冬休みだからそこ使うか、他のところも大体そうだろうし」 京太郎「あれ?そういえば来週って……」 日程 12月第2週 期末試験 12月第2週休日 冬休み開始 12月第4週(冬休み11日目) プロ・アマ交流戦 京太郎「期末試験忘れてたぁぁぁぁあああ!!!!」 京太郎「合宿プランは三泊四日にして、旅館は温泉があるところにしとくか」 京太郎「次はいつから始めるかだけど……」 京太郎「真ん中辺りにやるか、その方が前も後ろも休めて楽だし」 京太郎「これを連盟に送れば第一段階は終わりだな」 京太郎「……明日から試験勉強しないと……」 【12月第1週 平日】終
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346308252/ 己のカルマと戦う京太郎の前に現れたステルスモモ 彼女から持ちかけられた悪魔の契約に対して、決意を固めたはずの京太郎の心は揺らぐ 彼は自らの生き方を切り開くことができるのか!? 京太郎(師匠……すみません……) 京太郎(俺はやっぱり、自分の身がかわいい臆病者みたいです……) 京太郎「分かった、そちらの要求を飲もう」 桃子「あなたならそう言ってくれると思ってたっす」 桃子「合宿中は無理に行動を起こさなくて良いっす」 桃子「実際に行動に移すのは、清澄に帰ってからということで」 京太郎「分かった。しかし今は情報が足りない」 京太郎「うちの部長とそっちの先輩ってのは、一体どれくらい親密なんだ?」 桃子「……名前」 京太郎「ん?」 桃子「あの女、私の先輩を下の名前で呼びやがったんす!」 桃子「私でさえまだ苗字に先輩って付けただけなのに……」ギリッ 京太郎(こ、これは……) 京太郎(百合場面名鑑収録「下の名前で呼んで」の亜種か!) 京太郎(いやいや、喜んでる場合じゃないだろ) 京太郎(落ち着け、冷静になるんだ) 京太郎(たかが下の名前で呼ぶようになっただけで、そこまで危険な段階に入っていると言えるか?) 京太郎(下の名前で呼び合うくらいまでなら別に……) 京太郎(…………) 京太郎(かじゅ久、いや、久かじゅ……か) 京太郎(アリだな) 京太郎(部長という職務の重責……そこから生じるストレスを抱えながら部活を発展させようとしてきた二人) 京太郎(奇しくもそれぞれが在籍する麻雀部は歴史がゼロと言っても過言ではない状態の新生部) 京太郎(同じような境遇にある者同士がある日交錯したとき、物語は始まる) 京太郎(ん?鶴賀の部長はカマボコみたいな口の人だっけか) 京太郎(まあいいか、立場的には似たようなものみたいだし、やはりそこから生じる共感g) 桃子「不愉快な妄想をしているようなら、あんたにはもう用はないっす」ニコッ 京太郎「!? ち、違うんだ! 待ってくれ!」 桃子「次はないっすよ?」 桃子「とにかく、くり返すっすが方法は問わないので、可及的速やかに処理をしてくださいっす」 桃子「こうしている間にも、あの女の毒牙が先輩に迫ってるんっすから」ギリッ 京太郎(これは……マジだな)ゴクリ 桃子「最終的にあの二人の接触を断つことができれば良いことにするっす」 桃子「だけど、もしも間に合わなかったら、その時は……」ゴゴゴ 京太郎「分かってる! 分かってるからそれだけは……それだけは許してくれ…」 桃子「じゃあ、今日のところはこれくらいにしておくっす」 桃子「期待してるっすよ、須賀京太郎君?」 桃子「あ、それと、万が一先輩の着替えを覗くとか、そういうことをした場合もその場で処刑確定なので注意してくださいっす」 桃子「では」スゥ… 京太郎「ふぅ……」ドサ 京太郎(なんてことだ……まさかこんなことになるなんて……) 京太郎(どうすれば……師匠に助けを) 京太郎(いや、それだけは絶対にできない) 京太郎(俺の尻拭いを師匠にさせるなんてことは、絶対にあってはならない……) 京太郎(しかし、師匠の思いを踏みにじることも避けたい) 京太郎(くそっ……八方塞がりか…) 京太郎(……いや、待てよ) 京太郎(今のこの状況、一見すると男である俺が百合の園を土足で踏み荒らそうとしているように見える) 京太郎(しかし、今俺がそんな行動に出ようとしているのは、紛れもない百合娘・東横桃子からのアクションがあったからだ) 京太郎(実際のところこれは、百合娘が自らの願望を成就させるための手段だと考えられないだろうか?) 京太郎(ならば今の俺は、百合の舞台の上にある一つの小道具……) 京太郎(百合の花を咲かせるためだけに存在する、ひとつの背景に過ぎない) 京太郎(それならば……俺は飽くまで流れの中で求められ、使われているに過ぎない!) 京太郎(そう、主人が執事に……透華さんや衣ちゃんが師匠に命じて、師匠がそれに応えるという関係のように) 京太郎(俺が桃子さんの要求に応じるのは、何の違和感もない行動だと言えるんじゃないか!?) 京太郎「く、くくく」 京太郎(これは、むしろ僥倖かもしれん) 京太郎(行動の理由を自らの外に置きつつも、それでいて自らのためになる行動ができる) 京太郎(しかもそれは、俺自身の規範に逆らうものではない) 京太郎(いいねぇ、望むところだ) 京太郎(やってやろうじゃないか!) 京太郎(俺は舞台の上で、俺の役を演じきってやる!) 京太郎(アトモスフィア京を舐めるなよ!!) ――久主催部屋―― 久「その手を鳴かずに進められるのね…」 ゆみ「これを鳴いて和了れる相手とは思っていない」 久「あら、随分と評価してもらってるみたいね」 ゆみ「当然だ、聞くところによるとインターミドル時代も猛威を振るっていたそうじゃないか」 ゆみ「高校に入ってから麻雀を始めた私から見れば、大先輩だよ」 久「いやねぇ、そんなことまで調べてあるの? ちょっと怖くなっちゃうわ」 ゆみ「敵情視察は戦略の基本だ」フッ 久「怖いわね、滅多なことができなくなっちゃう」 京太郎(ふむ、思った以上に親密になっているようだな) 京太郎(桃子さんの杞憂というわけではなさそうだな) 京太郎(部長が加治木さんを誘った時に下の名前で呼んでるのを見て、大慌てで俺に話を持ちかけてきたわけか) 京太郎(凄まじい行動力……いや、執念と呼ぶべきか) 京太郎(しかし……) 美穂子「うえ……竹井さん」 久「うーん、ねぇ美穂子」 美穂子「す、すみません! 失礼なことを……」 久「いや、別に上埜って呼ばれるのを気にしてるわけじゃないのよ?」 久「ただ、ゆみも私のことを名前で呼んでるし、美穂子も私のことを名前で呼んでくれないかしら」 久「ほら、私も“美穂子”って呼んでるわけだしね」 美穂子「え、でも……」 久「よし、決めた」 美穂子「え?」 久「“久”って呼んでくれないなら、なんにも反応してあげないことにするわ」 美穂子「え、そ……そんな、冗談ですよね?」 久「……」 美穂子「た……竹井、さん?」 久「……」 美穂子(うぅ……) 美穂子「ひ、久さん」 久「うーん、“さ”が続くと響きが悪いわねぇ」チラッ 美穂子「そ、そんな……」 久「あーあ、さみしいなぁ」チラッチラッ 美穂子「……」 美穂子「……久」ボソッ 久「……」スッ トトト 美穂子「え?」 久「……」ギュウ 美穂子「えっ!? ひ、ひゃ」 久「なぁに、み・ほ・こ♪」フゥ 美穂子「あ、わあうああうああ」カアァァァ 美穂子(息が、息が耳に……!) 衣「おい久、対戦相手の手牌を盗み見る気か?」 久「あら、ごめんなさい。そんなつもりはちっとも無かったんだけど」 久「あんまりにも美穂子が可愛いもんだから、自分を抑えきれなくなっちゃってね?」 美穂子「うぅぅ……」 ゆみ「まったく」ニガワライ 京太郎(…………) 京太郎(たまらん) 京太郎(なんだなんなんだこの最高の桃色空間は!?) 京太郎(ってか部長! あんた最高だよ!!) 京太郎(女の子を手玉に取るすべを身につけすぎてて、逆に怖い!) 京太郎(これは間違いなく歴戦の百合娘!) 京太郎(今までも相当な数の生娘をその毒牙にかけてきたに違いない!) 京太郎(はっ!?)ピキュイィィン 京太郎(そ、そういえば、うちの部室ってやたら恵まれた環境にあるよな……) 京太郎(部員数ギリギリ団体戦に出場可能なくらいしかいない弱小中の弱小部なのに) 京太郎(しかも、中古で買っても決して安くない自動卓まである) 京太郎(ここから導き出される結論、それはすなわち……) 京太郎(百合売春!!) 京太郎(いや、実際には売春というより、何かしらの備品をかけての麻雀勝負だったのではないだろうか) 京太郎(「部員がいないからちょっとだけ付き合ってくれない?」と誘われ、軽い気持ちで部室に足を踏み入れた彼女たちだったが) 京太郎(そこで会話をしていくうちに、次第に久という存在に惹かれるようになる) 京太郎(そしてある日、部室に置く備品をかけての勝負を持ちかけられる) 京太郎(賭けられるものがないように見えることを久に伝えると、彼女は自分の躰を賭けると言い出す) 京太郎(はじめは驚いて勝負を拒否するが、あっさりと久は引き下がる) 京太郎(拍子抜けした状態で帰宅するも、ベッドの中でそのことを反芻し、勝負を受けなかったことを後悔する) 京太郎(そして翌日、放課後になると真っ先に麻雀部の部室に向かい、そこの主に「賭けをしよう」と持ちかけるのだ) 京太郎(そしてギリギリの勝負の末、見事勝利を掴み取る。高鳴る胸の鼓動) 京太郎(なんとか平静を保とうとしていると、久がゆっくりと立ち上がり、部屋の隅のカーテンをそっと開く) 京太郎(そこには真っ白なシーツがかかったベッドが。ベッドの上に腰掛け、制服を徐々に崩しながら、誘うような目つきで見てくる久) 京太郎(そして耐えられなくなった欲望がり性を粉々に打ち砕き、久の体躯を、息を荒げながら乱暴に組みしだく……) 京太郎(一度味を知ってしまったらもう後には戻れない) 京太郎(自らの私物やポケットマネーを賭けてまで戦いに挑み、徐々に泥沼にはまってゆく) 京太郎(絶妙なバランスで勝敗を調整しながら、久は彼女たちの心を弄んでいく……) 京太郎(こう考えれば、不自然なほど揃っている備品の数々、そしてあのベッドの説明がつく) 京太郎(そして和は、かつて部長が甘い声を上げながら) 京太郎(時には上げさせながらシーツを濡らしていたなどということに微塵も気づかず、そのベッドで無防備に睡眠をとっているのだ) 京太郎(…………) 京太郎(い、いかん、これは危険だ) 京太郎(平常心が保てなくなりそうだ……落ち着け俺)フゥ ゆみ「ん?」 京太郎(っ! まずい!) 京太郎(アトモスフィアモードを……冷静に……)スゥ ゆみ(…………気のせいか) 京太郎(……危なかった) 京太郎(しかし、さすがと言わざるを得ないな) 京太郎(あの桃子さんの気配を、完全に隠蔽していない状態とは言え察知できるだけ……) 京太郎(しまった、本来の目的を忘れるところだった……!) 京太郎(今は百合妄想に浸っている場合ではない。何とかして現状を打開しないと……) 京太郎(しかし、俺のSPY-Lレーダーの情報が正しければ、キャプテンはもう既に陥落しているが、肝心の部長が問題だ) 京太郎(今回のオーダーは部長を加治木さんから引き離すこと) 京太郎(最終的に部長そのものをどうにかしなければ意味がない……) 京太郎(しかし、ここに来てからの部長の姿を見る限り、彼女を特定の誰かと結びつけることはかなり難しい) 京太郎(おまけに今回は時間が限られている) 京太郎(一度この合宿が終わってしまえば、これだけのメンバーが一堂に会することは殆どなくなるだろう) 京太郎(解散してしまえば部長と加治木さんの接触自体は減るだろうが) 京太郎(もし個人的に合うといった状況になった場合、それを事前に察知するためには部長のプライベートに張り付く必要が出てくる) 京太郎(そして周囲にフレアとして使えそうな人材がいるとも限らない) 京太郎(合宿終了まであと何時間だ?) 京太郎(なにか……何かないのか……) 京太郎(師匠……俺に力を……) 京太郎(……ん? 待てよ?) 京太郎(このSPY-Lの反応……) 京太郎(はっ!?) 京太郎(そうか! この手があったか!) 京太郎(…………しかし、これは成功する確率が高いとは言えない……) 京太郎(どうする、別の手を考えるか……?) 京太郎(いや、迷っている時間はない) 京太郎(失敗すればジ・エンドだが、何もせずにいて失敗しても結果は同じだ) 京太郎(ならば、俺は全力を尽くして死ぬ方を選ぶ) 京太郎(それに、これは紛れもない百合娘からの願いでもある) 京太郎(指をくわえて見ているだけなどというのは、百合男子道に背く行い!) 京太郎(よし! 『オペレーションNH』始動だ!!) ――清澄部屋―― 和「はぁ、流石に疲れましたね」 咲「朝から晩まで打ちっぱなしだったもんね……」 咲「優希ちゃんなんか爆睡してるよ」 優希「ZZZzzz……」ホボゼンラ 和「ゆーき……なんてはしたない…」 咲「それにしても、今回の合宿は勉強になったなぁ」 和「ですね、みなさんやっぱり決勝まで残っただけありました」 咲「はぁ、京ちゃんも来れてたら強くなれたんじゃないかなぁ」 和「」ムカッ 和「もし来れていたとしても、部長の命で雑用をやって終わりだったと思いますよ」イライラ 咲「うーん、部長ももう少し京ちゃんに優しくしてあげればいいのに……」 和「」イライライライライライライライライライライラ 和「み、宮永さ」コーイーシチャッタンダ タブン キヅイテナーイデショー 咲「あ、これって」 咲「京ちゃんからメールだ!」パァァ 和「」プチッ 和「みやながさ咲「え?」 和「!」ガバッ 和「どうしましたか宮永さん!まさかセクハラまがいのメールを!」 和「前からうすうす怪しいとは思っていたんですが、やっぱりやらかしましたかあの変態!」 和「私たちの方を見てたまにニヤっと笑っていたんですよ!」 和「気持ち悪いなぁとは思っていたんですが部活の平穏を乱したくなくて今まで野放しにしてしまいました! 申し訳ありません!」 和「今すぐヤツからのメールや着信履歴を全て削除してアドレスからも消去」 和「ついでに着信拒否リストに入れて、麻雀部、いや清澄高校、いいえ長野から永久追放してしまいましょう!!」 和「大丈夫です!裁判なら両親に頼めば必ず勝てますし、宮永さんは私が必ず守りきってみせます!」 咲「え? いやそんなメール京ちゃんはしてきてないよ?」 咲「ただ、ちょっといきなりっていうか、よく分からないっていうか……」 咲「ほら、これ」スッ 和「…………え?」 和「……何ですか、これ?」 咲「私も全然分からない……」 咲「あ、も、もしかして……」 咲「京ちゃん……あの人のこと……」ジワッ 和「!?」 和(私の咲さんを泣かせるなんて…………) 和(凌遅刑が神からの祝福に思える位の罰を与える必要がありますね……!)ゴゴゴ 和「今すぐ電話して、目的を問いただしましょう!」 咲「う、うん」ピピッ 和(短縮の0番!?)ワナワナ 咲「…………電源が入ってないみたい」 和「宮永さん! こんな訳のわからないお願いなんて聞く必要ありません! もう今日は寝ましょう!!」 咲「…………ううん、行くよ、私」 咲「きっとなにかワケがあるんだよ」 咲「私は京ちゃんを信じる。京ちゃんの力になりたいから……!」グッ 和「」イライラブルブルワナワナバキバキグシャグシャバリバリゴクン 和「…………分かりました」 和「では、私もご一緒させていただきます」 和「私も(咲さんの)力になりたいですから」ニッコリ 咲「原村さん……!」 和「行きましょう、あんまり遅くなると、寝てしまうかもしれませんよ」ニコニコニコニコ 咲「うん! 行こう!」 ――鶴賀部屋―― 桃子「ん?」 桃子(この気配……) 桃子「ちょっと出てくるっす」 ワハハ「んー? あんまり遅くなるんじゃないぞー」ワハハ 桃子「はいっす」 ガチャ バタン 桃子「で、なんの用っすか? 須賀京太郎」 京太郎「今、手を打っているところです。おそらく明日出発するまでには結果が出るでしょう」 桃子「!!」 桃子(本当? ブラフ? いくらなんでも早すぎないっすか?) 桃子「合宿中は無理みたいなことを言ってたと思うんすけど、あれはなんだったんすかねぇ?」 桃子(これは警戒しなくてないけない? いやしかし……) 京太郎「俺の認識不足でした。むしろこの機会を逃すわけにはいかないんです」 京太郎「……そして、この作戦を遂行するにあたって、桃子さんにも協力していただかなくてはなりません」 桃子(きたっ!) 桃子「確かに協力するとは言ったっすけど、内容によるっす」 桃子「当然納得できる理由も話してもらわないと」 京太郎「理由までは……ただ、殆ど手間は取らせません」 京太郎「大丈夫です。俺を信じてください」 京太郎「必ず貴女の望む結果をご覧に入れます」 桃子(……話だけなら、聞いてやるっすか…) ――外―― 桃子(一応、要求されたことはやったっすけど、あれは一体何の意味が……) 桃子(あとはここで少し待てばいいって……) 桃子(少しってどれくらいなんすかね?) 桃子(一応アイツの行いの証拠は、分散して保管してあるから、今のうちに処理するのは無理っすけど……) 桃子(10分待って何も起こらなかったら、処刑確定っすね) ゆみ「……」タッ タッ タッ 桃子「……先輩?」 ゆみ「桃子」 桃子「!?」ビクッ 桃子(こ、これは……) 桃子(先輩……怒ってるっすか……?) 桃子(一体何が……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はいっす!」ビクッ ゆみ「ひとつ、聞きたいことがある」 桃子「なな、なんっすか?」ビクビク ゆみ「須賀京太郎をいう男の事を知っているか?」 桃子「!!??」ビックゥ 桃子(ま、まさかアイツ……みんな先輩にバラして……)ブルブル 桃子(こ、殺すっす!!) 桃子「な……んのことだか、さっぱりわからないっすね」プイッ ゆみ「声が上ずっているぞ」 ゆみ「その反応、やはりヤツの言っていったことは本当だったか……」 桃子(なんで、そんなに怒ってるんすか……) 桃子(なんで、そんなに悲しそうな顔するんすか……) 桃子(私のこと、恋愛ではないにしても、好いていてくれていたんじゃないんすか……) 桃子(じゃあなんで……今まで……勘違いさせるようなこと)ギリッ 桃子(あんまりっすよ……) ゆみ「桃子……本気なのか?」 桃子(……!)ギリリッ 桃子「そうっすよ! 本気っす!」ジワッ 桃子「でも何が悪いんすか! 先輩が悪いんっすよ!」ポロ 桃子「私は……私は、ただ……」ポロポロ ゆみ「……」スッ 桃子「っ! 触らないでくださいっす!!」バシッ ゆみ「」ギリッ ゆみ「桃子!」グイッ 桃子「きゃ!?」ドサッ 桃子(え? 何? 押し倒され……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はい……」 ゆみ「お前を見つけたのは、私だ」 桃子「え、あ、はい」 ゆみ「だから、お前は私のモノだ」 ゆみ「誰にも渡しはしない」ギュウ 桃子(…………???) ゆみ「私が悪かった」 ゆみ「お前は、なんだかんだでちゃんと分かってくれていると思っていた」 ゆみ「全く、笑い話にもならないよ」 ゆみ「だから」 ゆみ「しっかりと、躾てやらないといけないな」 桃子「はぇ?」 ゆみ「だれがお前の持ち主なのか」 ゆみ「心にも、躰にも」 ゆみ「刻みつけてやる……!!」グイッ 桃子「な、にを んんうぅ!?」チュウゥゥ 桃子(これは一体何がどうなってこうなったんすかぁぁぁ!?) ゆみ「ふぅ」 桃子「はぁ、はぁ……せ、んぱ」ハァハァ ゆみ「……」グイッ 桃子「や、ちょ、そこは!?」ググッ ゆみ「初めてか?」 桃子「……はぁ…? そりゃ、そうっすけど……?」 ゆみ「そうか、そうじゃなかったらモモを殺して私も死んでいたよ」 桃子「ぇ?」 ゆみ「それに、痛くなければ躾にならないだろう?」 ゆみ「一生忘れられないくらい、痛くしてやるからな」 桃子「ちょ、ま、せんぱ」 ~少し前~ ――廊下―― ゆみ「やれやれ、さすがに疲れたな」コキコキ ゆみ(しかし……楽しかったな)フッ ゆみ「…………ん?」 ゆみ(これは、なんだ?) ゆみ(押し隠したような気配……モモに近いが、違う) ゆみ(それにこの感じ……久たちと打っている時にも一瞬感じた) ゆみ「そこかっ!」バッ 京太郎「流石ですね」スゥ ゆみ「! 君は……確か清澄の男子部員」 京太郎「! これは……覚えていただけているとは、意外でした」 ゆみ「なぜここにいるんだ? 久は君を置いてきたと言っていたはずだが」 京太郎「ええ、まあちょっとした理由がありましてね」 京太郎「加治木さんに接触したのも、その理由と関係していまして」 京太郎「少しお時間をいただけないでしょうか」ニコッ ゆみ(……どういうつもりだ?) ゆみ(この男、確かに気配を感じることはできたが、まるであえて私に察知させたような、そんな不自然さがあった) ゆみ(つまり、今の今まで私にも気づかれないような状態で”何か”をしていた可能性が高い) ゆみ(それでも、犯罪行為をしようとしていたなら、気配を消した状態でいくらでも出来たはず) ゆみ(私に直接危害を加えるようなことは、今の時点でするつもりはないということか) ゆみ(……ここで誘いに乗らなかった場合、この男は再び姿を消すだろう) ゆみ(目的が全くわからないままロストするのは避けたい……) ゆみ「わかった、話だけなら聞こう」 京太郎「そうおっしゃっていただけると思っていました」 京太郎「ここでは人目につきます。場所を移しましょう」 ――外―― ゆみ「で、こんな所でしか話せないということは、なかなかに後暗い話題をしたいと見えるが」 京太郎「後暗い、というほどではありませんが……」 京太郎「大手を振って話せるものでもありませんね」 京太郎「……同じ無名校として、決勝での鶴賀の活躍には驚きましたし、素直に敬意を覚えました」 ゆみ(……? なんだ、わざわざ胡麻をすりに来たわけでもないだろうに) 京太郎「とくに、うちの原村を抑えて、副将戦で収支1位を飾った東横桃子さん」 ゆみ「……」ピクッ 京太郎「加治木さんも素晴らしい立ち回りをされましたが、やはり彼女の働きには非常に強い印象を覚えました」 ゆみ「……何が言いたい」 京太郎「そのままです。東横さんが優秀だというお話ですよ」 京太郎「原村和は去年の全中チャンピオン」 京太郎「そして龍門渕透華さんも、去年のインハイでは大いに活躍したそうじゃないですか」 京太郎「そんな二人を押しのけて、鶴賀を優勝まで後一歩のところまで押上げた彼女のような才能が」 京太郎「これを最後に終わってしまうのかと思うと、あまりにももったいなくて」 ゆみ「!?」 ゆみ「それは、どういうことだ?」 ゆみ「モモはまだ1年だ。来年も再来年も、鶴賀のエースとして活躍する」 ゆみ「ここで終わるわけがないだろう!」 京太郎「冷静に考えてみてください」 京太郎「確かに鶴賀は県予選で決勝まで上り詰め、大いに活躍しました」 京太郎「しかし、それだけで来年からも部員が入ってくれるでしょうか?」 京太郎「本当に麻雀がやりたい人なら、長野だと普通は風越に入ります」 京太郎「それに、風越は確かに名門ですが、ここ最近の2連敗は間違いなく看板の価値を落としているでしょう」 京太郎「ではほかの学校はどうか?」 京太郎「今回の決勝の4校で考えてみましょうか」 京太郎「龍門渕のメンバーは全員が2年生で、来年もレギュラーメンバーは変わらないでしょう」 京太郎「メンバーに空き枠がなく、横のつながりだけで強さを保っているところに、新入生が入るとは考えにくい」 京太郎「そもそもあのチームは学校の麻雀部というより、龍門渕さんの私設クラブとしての色合いが強いですから」 京太郎「そうなると鶴賀と清澄はですが、ここは両方共ほぼ無名です」 京太郎「目立った戦果は、今年の物のみ」 京太郎「そして、両方が無名ならば」 京太郎「『全国優勝校』という泊のついた清澄の方を、普通ならば選ぶでしょうね」 ゆみ「!!??」 ゆみ「ちょっと待て!」 ゆみ「自分の仲間に対して自信があるのは結構だが、随分と大きな風呂敷を広げるじゃないか」 ゆみ「そんな根拠の乏しい推測をもとに、うちの麻雀部を不当に低く評価するとは、君は随分恥知らずな人間のようだな」 京太郎「本当に根拠に乏しいと言えますか?」 京太郎「先鋒の片岡は、個人戦で歴代ハイスコアを出すほどの腕前」 京太郎「副将の原村は言わずもがな」 京太郎「大将の宮永は、去年のMVPである天江衣を制し、個人戦でも全国出場が決定しています」 京太郎「そして、常に収支を±0にするという驚異的な実力」 京太郎「これは個人戦でも本人の気が変わるまでやってのけていましたから、全国でも通用すると思われます」 京太郎「どんなに異常なことか、加治木さんならよくお分かりでしょう?」 京太郎「残りの二人も、ほかの3人ほどの派手なモノはありませんが」 京太郎「どちらも安定してハイレベルな試合ができるというのは、加治木さんも骨身にしみて理解しているはずです」 京太郎「ここまでの実力者が揃いながら、清澄が優勝を狙うには力不足だと思えるのなら」 京太郎「それは少しばかり観察眼というか、まあ“何か”が足りないんじゃないでしょうか」ニコッ ゆみ「君は……随分と人をからかうのが好きなようだなっ……」ギリリッ ゆみ「仮に、だ」 ゆみ「仮に来年鶴賀の麻雀部が団体戦に出られないとしても」 ゆみ「モモには個人戦があるだろう」 ゆみ「そうなれば、少なくとも彼女の才能が埋もれるということはない!」 ゆみ「彼女は、あの特殊な能力が先行してはいるが、麻雀の実力も文句のないレベルだと思っている」 ゆみ「問題は全くない」 京太郎「……東横さんは、どうして麻雀部に入ったんでしょうか?」 ゆみ「!」 京太郎「どうやら彼女は初めから麻雀部に入ろうとは思っていなかったようですよね?」 京太郎「誰かが強引に麻雀部に連れ込んだと聞いていますが」 ゆみ(この男……いったい…) 京太郎「もしもですよ」 京太郎「もしもその人がいなくなってしまったら」 京太郎「東横さんが麻雀部にいる理由、その物自体が消えてしまうということになるのではないでしょうか?」 ゆみ「!?」 ゆみ(そんな……モモが……) ゆみ(いや、そ、そんなことはないはずだ) ゆみ(…………ホントにそう言えるのか……?) ゆみ(いや、まて、相手のペースに飲まれるな!) ゆみ「どうも人の周りを嗅ぎ回るのが好きな、趣味の悪い人間がいるようだが」 ゆみ「いったい、どこからそんな噂話を仕入れてきたのかな」 京太郎「加治木さん、あなたほど聡明な方だ」 ゆみ(無視、か) 京太郎「人の気持ちに鈍いというわけでもない」 京太郎「なら、もう気づいているんでしょう?」 京太郎「東横さんがあなたに向けている感情に、ね」 ゆみ(…………っく!?) 京太郎「自らの存在を非常に認識されにくいという、あまりにも特異な体質を持って生まれてしまった、一人の女の子」 京太郎「存在を気づいてもらえないがために、誰からも必要とされることなく生きてきた」 京太郎「だがある日、そんなつまらない日常から自分のことを引き上げてくれる人が現れた」 京太郎「彼女がどれほどの喜びを感じたかは、想像に難くありません」 京太郎「そして、求められるということに喜びを感じた彼女は、恩人とも呼べるその人に着いていくことを決める」 京太郎「ですが……」 京太郎「自分を見つけてくれたその人は、自分自身が麻雀の大会に出るための頭数が欲しかっただけで」 京太郎「高校生活最後の試合が終わると、目の前から姿を消してしまう」 ゆみ「!!……ち、違う!!」 ゆみ「私はそんな……そんな道具のような扱い方をモモにしてきたことは断じてない!!」 ゆみ「モモは私の大事な……大事な仲間だ!」 京太郎「仲間……そうですよね」 京太郎「あなたから見れば、彼女は確かに大切な仲間です」 京太郎「ですが、お分かりのはずです」 京太郎「彼女が貴女との間に求めている関係は、もっと特別なものだと」 ゆみ「そ……れは」ビクッ ゆみ(たしかに、モモが求めているものはわかっている、が……) 京太郎「そして、貴女がどんなに彼女のことを大切に思っていたとしても、鶴賀を去ってしまうのは、曲げることのできない事実」 京太郎「彼女が麻雀部にいる理由を失ってしまうのも、従って事実です」 京太郎「ですから“このままでは”彼女の才能は埋もれてしまうんですよ」 ゆみ(…!) ゆみ(まさか、コイツの狙いは) 京太郎「本題に入りましょうか」 京太郎「東横桃子さんが後腐れなく清澄の麻雀部に入れるように、彼女との縁を完全に断って頂きたい」 ゆみ「ば……馬鹿かお前は!」 ゆみ「私がそんなことをすると思っているのか!」 京太郎「他のメンバーの方のことでしたら、どうぞご心配なく」 京太郎「彼女たちも、まとめて受け入れる準備は出来ていますから」 ゆみ「準備が出来ている……だと?」 ゆみ「まさかこの話、久も噛んでいるのか……?」 京太郎「おっと、この話は完全に俺のワンマン企画ですよ」 京太郎「うちの部長はああ見えて、曲がったことが大嫌いでしてね」 京太郎「おまけに頭がキレて、感も鋭い」 京太郎「部長にばれずに準備をするのは大変でしたよ」 京太郎「本当はもっと面倒な手順を踏んで東横さんに接近するつもりだったのですが」 京太郎「今回の合宿企画が持ち上がったのは本当に幸運だったというより他ありません」 京太郎「この機会を逃すと面倒なので、加治木さんには早くご決断をして頂きたいのですが……」 ゆみ「……君が清澄の戦力の増加のために、モモをうちから盗ろうとしているのは分かった」 ゆみ「しかし、君は男子部員で、女子部員の成果は直接利益になるとは思えない」 ゆみ「なのにどうしてそこまでモモに固執するんだ?」 京太郎「……正直言って、今の清澄は部長の強力なリーダーシップによってまとめられている状態です」 京太郎「飄々としていながら、彼女ほど抜け目のない人間もなかなかいない」 京太郎「うちのメンバーは、一人ひとりが優れた雀士ではありますが、部長の跡を継いで組織を引っ張っていける人間がいない」 京太郎「宮永はそもそも内向的な性格ですし、片岡は自分勝手すぎる」 京太郎「原村は信念が強すぎるあまり、狭窄な考えに陥りがち」 京太郎「染谷先輩は一番まともではありますが、いい人どまりでリーダーとしては力不足な感が否めません」 京太郎「そうなったとき、いったい誰が部の舵取りをしていくのか」 京太郎「そうなった時に、俺がその責務を引き受けようと思っているわけです」 ゆみ「随分自己評価が高いと見えるな」 ゆみ「私にはただの自惚れにしか感じられないが」 京太郎「消去法ですよ、手配の中に安牌がこれしかなかったんです」 京太郎「ともかく、俺がそうやって部をチームとしてまとめ上げていくとなれば、当然勝ち進むために何ができるのか、と考えるわけです」 京太郎「そして、まずは強力な人間の頭数を増やそうと思ったわけです」 京太郎「部内に強者が大勢いれば、内輪の練習だけでも十分技量の進歩は望めますから」 ゆみ「この陰険な謀は、全て部のためにやっていることだと言いたいのか」 京太郎「もちろん、それだけではありません」 京太郎「先程も申しましたように、清澄麻雀部は高い確率で優勝杯を持って帰るでしょう」 京太郎「そして、来年、再来年とそれを続ければ」 京太郎「史上初の3連覇を成し遂げる、ということになります」 京太郎「……今や、麻雀はこの世界で最大のゲームとなっています」 京太郎「そして麻雀強豪国である日本のインターハイで殿堂入りになるということは」 京太郎「世界レベルで実力が認められることになるでしょう」 京太郎「そうなったとき、そのチームを間接的に勝利に導いた人間も、十分すぎるおこぼれを貰えるのでは」 京太郎「そう考えたんですよ」ニコッ ゆみ(やはり私腹を肥やすことを考えていたようだな) ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ) ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」 ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」 ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」 京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」 京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」 京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」 ゆみ(桃子……だと!?) ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」 京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」 京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」 京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」 ゆみ「減らず口をっ……!」 京太郎「よく考えてみてください」 京太郎「一度求められることを、暖かさを知ってしまった彼女は、もはや以前のような孤独には耐えられなくなっているでしょう」 京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」 京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」 京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」 ゆみ(…………) 京太郎「ねぇ、加治木さん」 京太郎「いい夢、見れたでしょう?」 ゆみ「な……っ!?」 京太郎「皆で全国を目指して走り続け」 京太郎「途中で敗退はしたけれど」 京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」 京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」 京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」 京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」 京太郎「彼女を夢の抜け殻に縛り付けておくなんて残酷な真似が」 京太郎「あなたにできるんですか?」 ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」 京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」 ゆみ「…………あ、え……?」 京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」 ゆみ「何を……」 ゆみ(何を……言っているんだ……この男は) 京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」 京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」 京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」 京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」 ゆみ(…………なんだ、なんなんだこれは) ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ) 京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ ゆみ(え?) 京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」 ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見) ゆみ(!) ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?) 京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ ゆみ「な、んの、ことだ」 京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」 京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」 京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ ゆみ( ) ゆみ( ) ゆみ( ) 京太郎「ああ…………加治木さん」 京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」 京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」 京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」 京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」 京太郎「分かって頂けますよね」 ゆみ「」ガクッ ゆみ「」ドサッ ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」 京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」 京太郎「失礼します」スゥ… ~翌朝~ ――車の前―― 久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」 ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」 久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」 ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」 ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」 久「ふぅん……」 ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」 久「ええ…………ねぇ、ゆみ」 ゆみ「ん?」 久「あんまり無理させちゃダメよ?」 ゆみ「………………善処しよう」 久(微塵も反省してないみたいね) 久(東横さんも大変ねぇ……) 桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……) 桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……) 桃子(でも) 桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ 佳織「桃子さん……? どうかしました?」 桃子「いや、楽しかったなぁって」 桃子「新しい知り合いも出来たし」 桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」 佳織「人生って……」 桃子(ん? あれは) 京太郎「」サムズアップ 桃子(……今回は感謝してやるっす) 桃子「須賀京太郎」ボソッ ゆみ「」ピクッ 桃子(あ、やば) ゆみ「モモ」 桃子「は、はいっす……」 ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ 桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」 ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」 ゆみ「泊まっていってもいいしな」 桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」 ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ ワハハ「……!?」ゾク 睦月(なに!?)ゾクゥ 佳織(ひぃ)ゾクゾク 桃子「……はいっす」 桃子(前言撤回) 桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…) ――清澄部屋―― ブオォォォン ブロロロロロロ 和「んんぅ……」 和(車……そうか、もう朝なんですね) 和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか) 和「ふあぁ」ムクリ 和(それにしても……) 和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう) 和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……) 和(何を考えていたんでしょうか) 和「?」 和(この香りは……)スンスン 和(同類――百合の香り!?)バッ 和(あっち……鶴賀の車の方から……) 和(これは……)スンスン 和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…) 和(おかしいですね……) 和(昨日の時点では何も……) 和(あのあと、何かあったということでしょうか?) 和「…………」 ――何処かの木の上―― ハギヨシ「京太郎君……」 ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは) ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない) ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように) ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……) ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……) ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……) ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……) ハギヨシ(………………) ハギヨシ(師としては失格かもしれません) ハギヨシ(しかし、私は……) ハギヨシ「見たい」 ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」 ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね) ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……) ~帰宅後~ ――木間書店―― 京太郎(今回はさすがに疲れた……) 京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった) 京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう) 京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える) 京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが) 京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー) 京太郎(しかし、丸く収めるためとは言え加治木さんには随分ひどいこと言っちまったな……) 京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか) 京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……) 京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!) 京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……) 京太郎「さっさと帰って」 『ひらり』 京太郎「これを読んで、癒されたい……」 京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている) 京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り) 京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!) 京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが) 京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!) 京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!) 京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……) 京太郎(まぁそれより今は、さっさと家に帰ってこいつを堪能する方が重要だ!) ?「あれは……」ジー カン!
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京太郎「こんなにたくさん女の子がいるんだ、俺にも彼女くらい出来るはず…」 京太郎「よし!じゃあハギヨシさんに告白しよう!」 京太郎「って男じゃねえか!ダメだろ!」 京太郎「まあ安価は絶対だしな…どうせ告白しても成功しないだろ…」 京太郎「それじゃあ行ってくるか…」 ハギヨシ「それで話というのは?」 京太郎「いや実はですね…」 京太郎「前からあなたの事が好きでした。付き合ってください。」 ハギヨシ「!?」 京太郎(やべー…言っちまったよ…) ハギヨシ「それは…本気で言ってるのですか…?」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「本気で言っているのかと聞いているんです。」 京太郎「え、ええ…もちろんです。」 ハギヨシ「そうですか…分かりました…」 京太郎(怒らせちゃったかな…) ハギヨシ「実は私も貴方の事が好きでした。喜んでお付き合いさせて頂きます。」 京太郎「えっ」 ハギヨシ「それでは服をお脱ぎ下さいませ…」 京太郎「えっ?いやっ、ちょっ…やめ…」 大沼「何をしとるんじゃ!お前ら!」 京太郎「あなたは確か…大沼プロ!」 ハギヨシ「ちっ…邪魔が入ったか…」 大沼「まったく…近頃の若い奴は…ワシも一緒にやらせんか!」ポロンッ 京太郎「」 大沼「ほれ、さっさと尻を出さんか。」 京太郎「ちょっ…やめっ…」 ハギヨシ「お待ち下さい。私の方が先です。」 大沼「なんじゃと!老人に先に譲らんか!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは譲る訳にはいきません。」 京太郎(何なんだこいつら…) 大沼「さっさと譲らんか!この若造が!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは絶対に譲れません。」 京太郎「二人とも落ち着いて…」 大沼 ハギヨシ「うるせえ!黙ってろ!」 京太郎「(´・ω・ `) 」 ハギヨシ「分かりました。ならばどちらが京太郎様を満足させられるか勝負しましょう。」 大沼「ふん…小癪な…まあ良いだろう…」 大沼「それでルールは?」 ハギヨシ「お互いに挿れ合って先にイった方が負けという事でどうでしょうか。」 大沼「良いだろう…ワシに勝負を挑んだ事を後悔させてくれるわ!」 京太郎(今のうちに逃げよう…) 京太郎「やっと逃げてきた…まさか裸のまま追ってくるとは…」 京太郎「偶然警察の人にすれ違わなかったらヤバかったな…」 照「君は確か咲の高校の…」 京太郎「そういうあなたはチャンピオンの宮永照じゃないですか。こんなところで何を?」 照「それはこちらのセリフ。きみこそ何をしているの。」 京太郎「えーとですね…ちょっと危ない奴らから逃げて来たというか…そういうあなたは何を?」 照「「すがきょうたろう」とかいう咲にくっつく虫がいるそうなので始末しにきた。」 京太郎「えっ」 照「ところでまだ君の名前を聞いていなかったけど…」 照「君…名前は?」 京太郎「え…えーと赤木しげるです!」 照「アカギ…?どこかで聞いた事がある名前…」 京太郎「いやちょっと色々とやってるんですよ…はは…」 照「まあすがきょうたろうじゃないならいいよ。」 ハギヨシ「京太郎様…私達から逃げてこんなところで何を…?」 京太郎「お前…どうしてここに…」 照「おい…京太郎とはどういう事…?」 ハギヨシ「フフフ…今度は逃がしませんよ…」 京太郎(色々やべえ!こうなったら狂言を吐いて場を混乱させるしかない!) 京太郎「こいつが須賀京太郎です!錯乱して俺と中身が入れ替わったと思い込んでいるんです!」 ハギヨシ「なっ…」 照「そうなの?」 ハギヨシ「いやそんな訳無いでしょ!」 京太郎「やっぱコイツ錯乱してますよ!咲さんに手を出す前にやっちゃって下さい!」 照「よし…君たちホモセックスしよう…」 京太郎「うんうん!…って何だってええええええ!?」 京太郎「何でそんな事しなきゃいけないんですか!普通に始末すれば良いでしょ!」 照「いやだってコイツをホモにすれば咲に手を出さなくなるし….それに咲も京太郎にホモになって欲しいって言ってたからな。」 京太郎(咲…お前…) 照「さあ始めよう…逃げようとしたら…わかるよね…?」ギュルルルルル 京太郎「うう…」 ハギヨシ「( ´ ▽ ` )」 照「さあ早く」 ハギヨシ「wktk」 京太郎(もう終わりか…さようなら俺の童貞と処女…) 大沼「やめんかお前ら!」 京ハギ照「!?」. 京太郎(げええええ!よりによって今一番来て欲しくない奴が!) 京太郎(ん?待てよ…これを利用して…!) 京太郎「あのチャンピオン…ちょっといいですか?」 照「何…?」 京太郎「実は大沼プロはホモなんです。なので大沼プロとヤらせた方が色々と良いかと。」 照「そうなの…?ならそうしようかな…」 京太郎(よっしゃああああああ!) 照「さあ…早く始めて…」 ハギ 大沼「いやいやいや!」 照「…」ギュルルルルルル ハギ 大沼「はいいいい!」 京太郎(今のうちに逃げる!) 京太郎「やっと家に着いた…もう疲れた…」 京太郎(よく考えたら彼女を作ろうとしたらこうなったんだよな…もう彼女なんかこりごりだ…) 咲「あ!京ちゃんどこいってたの!」 京太郎「おう咲…ちょっと色々とな…」 咲「もう!心配させないでよ!すごく心配してたんだからね!」 京太郎「ごめん…」 咲「本当に悪いと思ってる…?」 京太郎「ああ…当然だろ。」 咲「ならキスして。」 京太郎「えええ?ドユコト?」 咲「本気で悪いと思ってるんでしょ?なら謝るかわりにキスして。ね…?」 京太郎(えーとつまりこれは告白ですか!?咲が!?俺に!?) 咲「早くしてよ…誰か来ちゃう…」 京太郎(こいつこんなに可愛かったっけ…?くそっ咲の癖に!もうやっちまえ!) チュッ 咲「んっ……はあっ」 京太郎(やっちまった…) 京太郎「…咲…何でこんな事を…」 咲「何でって?決まってるでしょ…京ちゃんが好きだからだよ。」 京太郎「そうか…………咲」 咲「何?京ちゃん?」 京太郎「好きだ。付き合ってくれ。」 カン
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まとめ 設定 本編1 本編2 本編3 本編4 本編5 本編6 別ルート おまけ1 おまけ2 おまけ3 おまけ4 おまけ5 本スレ 理沙「京太郎!」プンスコ 京太郎「わかりました」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1383660043/ 咲「もうっ京ちゃんのバカッ!もう出て行ってやるんだから!!」 京太郎「何をいきなり馬鹿な事を言ってんだ咲?」 京太郎「お前と俺は…大学を卒業してすぐ結婚してから三年……」 京太郎「ケンカもしたけど今までここで、一つ屋根の下で一緒にやってきたじゃないか」 咲「それはそうだけどっ――――」 京太郎「それによぉ。俺はさ…お前の事だけは一日たりとも忘れた事も無かったって言うのによ……」 咲「よくそんな事言えるね…京ちゃん!いつもいつも私の事を騙してばかりで……」 京太郎「騙すって……人聞きの悪い事を言うな!」 咲「どうせ私が何にも知らないとでも思ってるんでしょ?!!」 京太郎「何の事だよ?」 咲「私聞いたんだからね!京ちゃんが和ちゃんと浮気してるって!!」 京太郎「!?」 咲「ふんっ…知ってるんだからね!」ぷい 京太郎「お…俺がのど――原村先生と……?そ…そんな根も葉もない嘘をよく言うよ」 京太郎「良くそんなゲスい妄想出来るもんだよ?流石…文学少女だな」 咲「……妄想じゃないよ…教えて貰ったんだもん。京ちゃんが麻雀雑誌の編集記者であるのをいい事に……」 咲「プロ雀士の和ちゃんに言い寄って、夜の密着取材をしてるって……」 京太郎「だ…誰がそんな事を……」 咲「お姉ちゃん…だよ。ほら…証拠の写真もあるよ……」す… ぱらぱら 京太郎「!?」 京太郎<こっこれは…前に和と入ったホテルの、入る時と出る時の写真……?でも……ど…どうやって?> 咲「驚いた?私も最初は信じられなかったけど、お姉ちゃんが探偵さんを雇って調べて貰ったって」 京太郎「くっ……どうしてお義姉さん……宮永先生がこんな事を……」 咲「お姉ちゃんねぇ……何年か前にあったか~い詐欺の女に好きな人を盗られたて。凄く辛い想いをしたんだって……」 京太郎<なんだよ?…あったか~い詐欺って……> 咲「それ以来…私にはそんな想いをさせたくないって、その為なら手段を選ばないって、私を見守ってくれてるの」 京太郎<何?だとすると俺は……俺と和はずっと…あの人に監視されていたのか……>ゾー 咲「どう?ぐうの音も出ないでしょ?あはは…ゲスいのは京ちゃんの方だったね?」 京太郎「……俺や…原村先生を監視(ストーキング)してるお前らにだけには、言われたくねーよ」けっ 咲「で…どうなの?これでも認めないつもりなの?」ずいっ 京太郎「……くっ―――ああそうだよ!俺は原村先生と浮気しましたよ!!」 咲「認めたね?認めましたね?京ちゃん」 京太郎「そうだよ。認めたよ!で、どうしたいんだよ…お前は?俺と別れたいとでも言うのか?」 咲「そ…それは……」 京太郎「フン…結局お前はどうなっても俺と離れようとはしないんだ。結局は惚れたお前の負けなんだよ」 咲「京ちゃん…私は……」 京太郎「ええ?お前がモテない俺が好きって言うなら、考え直してやるけどな?まぁそんな俺は俺とはいえないけどな」ニヤリ 咲「ばっ…馬鹿言ってないでよ!京ちゃん」 京太郎「馬鹿言ってるのはお前だよ?咲」 咲「京ちゃん……京ちゃんは和ちゃんに遊ばれている事にも分からない様な、可哀想な人なんだね!」 京太郎「はっ!何を言っていんだよ?咲」 咲「私…お姉ちゃんから聞いたんだよ。和ちゃんは男も女もお構いなしの、おしりが大きいのに軽い女なんだって」 咲「だから、他の女流プロ雀士からはバイパイピンクなんて言われてるんだよ?」 咲「そんな人が京ちゃんなんかに本気になる訳が無いよ?」 京太郎<バイパイピンクって……バイで倍のパイで頭の中も外もピンク色の色情魔だって事かよ!!> 咲「おまけにPMなんて呼ばれてもいるんだよ!言っとくけど午後の事じゃないよ?」 京太郎<ピンクホルスタインって事かよ!?もう言いたい放題!貶め放題だな!!> 京太郎<…………やっぱ女子プロの世界って怖えー…………知ってたけど……>しみじみ 咲「どう?目が覚めた、モテモテのモテ男の京ちゃん?」 京太郎「くっ…だったら……三年目の浮気ぐらい大目にみろよ」 咲「はっ!?」カチン 咲「京ちゃんのその…ひっ…開き直るその態度が気に入らないの!!」 京太郎「じゃあ…どうすりゃいいんだよ?」 咲「ふんだっ!もうっ……両手をついて謝ったって許してあげないんだからねっ!!」 …………。 京太郎「で…結局、お前はどうしたいんだよ?」 咲「もうっ!京ちゃんがそんな態度を取るんだったら、私から荷物をまとめて出て行ってやるんだからっ!!」 京太郎「は?出てく?お前が?」ぷぷ… 咲「なっ何よ!?」 京太郎「お前…俺が出張に行く時も、帰った時も泣いて見送る様な寂しがり屋じゃねーか」 咲「//////うっ…それは……」 京太郎「そんなお前が、荷物をまとめて涙も見せずに出ていけるのかよ?」 咲「で…出来るもんっ!!」 咲「……た…確かに……もうこうなったら末原さんに頼んで……」 京太郎「末原さん……?もしかして俺達より二つ上で関西出身の?」 咲「うん…その末原ナンとかさん」 京太郎「てか、お前あの人とは、高校、大学何度か打ってるぐらいで、殆んど面識はないじゃねーか」 咲「うっ!?」ぎくっ 咲「で…でも何度もゴッ倒してるし、今度もゴッすれば言う事を聞いてくれる様な気がして……」 京太郎「はぁ…なぁ咲さん…もうそろそろ適当に思い付きで言うのは止めろよ?」 咲「うっ!!」どきっ 京太郎「それにあの人は大阪在住だろ?脅して押し入ろうとしたって、追い返されるのがオチだぞ?」 京太郎「まったく尼崎じゃないんだからさ。そんな無茶苦茶がまかり通る訳ないだろ?」 京太郎「……ま、大阪も似た様なもんだろうけどな?知らんけど」 咲「ううう……」 京太郎「はぁ…だいたい交友関係の狭いお前g―――――」 咲「―――――はっ!!」 咲「……じゃ…じゃあっ!実家に帰らせて頂きますっ!!」 京太郎「実家?ああ…それなら出来そうじゃないか?」 咲「えっ!?」 京太郎「いや、なに…こうなったら暫くの間。お互いに距離を置いた方が良いんじゃないかって」 咲「きょっ…京ちゃんは私と離れたいの!?」 京太郎「お前…何言ってんだ?お前から先に自分から出て行くって、言ったんじゃないか?」 咲「うっ…それは……」 京太郎「まぁ…お前が言う様に、俺が和に遊ばれているって言うんなら……」 京太郎「まぁ俺もそれなりに浮気みたいな事もするけどさ……俺だって本気になれないだから、可愛いもんだと思わないか?」 咲「!!」ピキッ 咲「よくそんな事が言えるね京ちゃん!!」 咲「いくら京ちゃんでも、こんな勝手な言葉が出てくるとは思わなかったよ!!」 京太郎「そうか?」 咲「そうだよ!!最早!京ちゃんの性根を…人格を疑うレベルだよ!!」 京太郎「言ってくれるじゃねーか咲さんよ?だがな、俺がこうなったのも元はと言えばお前にも原因はあるんだぜ?」 咲「どう言う事よ?」 京太郎「どうもこうもねーよ。そりゃ…お前が沢山あったプロチームや実業団、 強豪大学の誘いを全部蹴って……俺と同じ大学を受けるって聞いた時は、そりゃ嬉しかったさ」 咲「そうだよ。京ちゃんと一緒の大学に行く為に、たくさん勉強したんだからね」 京太郎「それで大学の麻雀部に入って、最初の挨拶の時にいきなりお前が、お嫁さん違いますけど彼女です――――」 京太郎「――――なんて言い出して、いつも俺にくっついているもんだから、 みんな妙に気を遣って俺は大学時代、殆んど遊べなかったんだからな!」 咲「付き合っているんだから、それは当り前の事だよ?」 京太郎「お前の場合は束縛し過ぎなんだよ。結婚した今でも、一日にニ十回以上もメールして来るし……」 京太郎「俺はキャンパスライフをもっとエンジョイしたかったんだよっ!!」 咲「…………」 京太郎「それで大学を卒業して、少し羽を伸ばせるようになったから――――」 咲「ふーん。すっごく自己中心的な考えだね。京ちゃんらしいよ」 京太郎「お前にだけは言われたくはないよっ!」 咲「私はただ一途ってだけだよ……」 京太郎「一途って……物は言い様だな。全くお前は、何時も俺に甘えてばかりでさ……」 京太郎「今でも…ちょっと俺が他の女の子と話そうもんなら、すぐ焼きもち焼くし……」 京太郎「もうそんな事しても可愛くないんだよ。もっと大人になれよ?」 咲「――――!!京ちゃん馬鹿な事言ってないでよ!!」 京太郎「ふん。俺だって男だ、羽目を外したら、ハメたくなるってもんだろ?」 咲「……………」 京太郎「……………」 咲「京ちゃん…………サイテー……」 京太郎「確かに今のだけは最低だった」ぺこり 咲「そうだよ!今のは麻雀で言ったらチョンボ並みにサイテーだよ!」 咲「まったくこんなサイテーな京ちゃんのキョウチャンなんかチョンボしちゃうんだからね!!」 京太郎「咲……お前…本気で俺のオレをチョンボしたいのか?」 咲「うっ…………」じー 咲「……………」ごくり… 咲「……やっやっぱりそれだけは赦してあげる////////」 京太郎「フフン。やっぱりお前は『俺』と『オレ』なしじゃいられないんだよ」 咲「うっ……自惚れないでよっ!京ちゃん!!」 咲「―――――それに…私にだって、その気になれば相手はいるんだからね!!」 京太郎「へー。どこのどいつだよ?いいから言ってみろよ?」 咲「の…和ちゃん……」 京太郎「だから和だったら本末転倒だろうが!?何度も同じ事を言わすなよ、咲さん?」はぁ 咲「うっ…それはそうだけど……」 京太郎「まったく…大学時代、俺にくっ付いてばかりで、殆んど他の知り合いを作らなかったからこうなるんだぞ?」 咲「うう……だって京ちゃんがいれば、もういいって…他に何も要らないって……思ってたんだもん……」うー 京太郎「!!」どきっ 京太郎「そ…そうかよ……」 京太郎<やべっ一瞬、どきってしちまった…もう結婚して3年にもなるのにな……> 京太郎<……てか、こうは言ったものの、もし咲が本気で和に近づいたら、和は喜んで受け入れそうだな……> 京太郎<なんたってバイパイピンクとかPHとか言われてるくらいだからな……> 京太郎<しかも、和がそうなったきっかけは、どうも咲によるものらしいしな……> 京太郎<はっ!!もしかして和が俺と寝たのは…これを狙って……俺と咲を別れさせて、咲を俺から取り返す心算とか……> 京太郎<つまり俺は当て馬で…本命は咲だと言うなのか……?> 咲「?」 京太郎<……いや…それよりも…それ以前に俺にとってこいつは…咲は……> 京太郎<特別美味い物でもないけど、毎日食べても飽きない、一口食べるとほっとする…ご飯の様な存在なんだよな……> 京太郎<分かっていたけど俺はやっぱりこいつの事が――――――> 咲「ど…どうしたの京ちゃん……?急に黙りこんで……」 京太郎「……咲…………」じっ 咲「京ちゃん……?」 京太郎「……今回の事は色々あったとはいえ、俺が悪かった…俺がバカだったよ……」 咲「そっそうだよ京ちゃんが悪いおばかさんなんだからね……」 京太郎「今になって俺にはやっぱりお前が必要だって思った」 咲「京ちゃん……」じーん 京太郎「だから咲……謝るから許してくれるか?」 咲「…………ゆるs――――――やっぱり両手をついて謝ったって許してあげないっ」 京太郎「じゃ…じゃあどうすれば……」 咲「私……今すっごく欲しいものがあるの……」 京太郎「欲しいもの?お前が俺に強請るなんて珍しいな……それを用意したら許してくれるのか?」 咲「うん…許してあげる」にこ 京太郎「よし!俺が用意出来るモンだったらなんだって用意してやる!!」 咲「ほ…ほんと?京ちゃん……//////」 京太郎「ああ。男に二言は無いぜっ!!で。何が欲しいんだ?」 咲「じゃあ…じゃあ言っちゃうね……私ね……」 京太郎<……………余り高い物じゃなければいいが……>ごくり 咲「私……京ちゃんの赤ちゃんが欲しいなっ」 京太郎「え?」 咲「えっ!?」 京太郎<…………ある意味…俺が用意出来るモノの中で一番高く付くモノだった……> おしまい。
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357370912/ 私は暗い部屋に呼び出され一つの御遣いを賜った。 今神代家は危機に瀕している。 その解決策として私が出向く事となった。 ですが、それはあまりにも人道に悖ること。 一筋縄では済まない、罪の意識を背負って人生を歩む事を強いられる。 その中の一人として私が使者として呼ばれたのです…… 「失礼致します。」 「来たか……」 「それでご用件は……」 「姫様のことについてだが……」 「上の協議の結果、ある結論に到った。」 「五年前の時と同じ方法で祓う。」 「! ですが、既に出来る者が……」 「そうだ、今ここに出来る人物はいない、だが飽くまで『ここには』だ。」 「……あの男の息子も15になった、もう十分に大人だ。」 「本家を守る為にもあの少年の力を貸りる。」 「指し当たってお前にはあやつの説得をしてもらうぞ。」 「……何故、私なのですか。」 「六女仙の中であの少年と仲が良かったのはお前だろう。」 「姫様は動けるわけが無い上に、姫様自体この方法に反対するはずだ。」 「……あとはわかるな、霞。」 「……はい、わかりました、御爺様。」 今更どの面さげてあの子に会いに行けば良いのでしょう。 確かに私達が仲が良かったとは言え、それは飽くまで5年前迄の話。 5年前起きた出来事と私達がしてきた仕打ちのことを知れば溜息も出る。 あの子達親子が私達に抱くものを考慮して説得するのがどれだけ無理難題な事なのか。 御歴々には分からない事なのでしょう。 私とて小蒔ちゃんには死んでほしくない。 だがそのためにあの子に「小蒔ちゃんの身代わりになってくれ」とどうして言えようか。 私はやり切れない感情を捨て切れないまま、長野へ飛んだ。 ――清澄―― 京太郎「何か久し振りの部活って感じだー。」 咲「インターハイ終わってやっと帰ってきたって気分だよ。」 京太郎「部室の扉を開けてあげましょう。」 咲「うむ、苦しゅうない。」 京太郎「ようこそお姫様……あっ」 咲「誰がお姫様か、あと「あっ」てなにさ。」 京太郎「ハハハ、わりーわりー、気にすんな。」 京太郎(何か、昔の癖が出ちまったな……) ――長野―― インターホンを鳴らして家人が出てくるのを待つ。 久しぶりに会う人だが疎遠になってしまっていたので緊張する。 緊張する理由はそれだけではないのだけれど…… やがて訪問宅の扉が開き、懐かしい顔と対面する。 「はい。」 「お久しぶりです、おば様。」 「……なにしに来たの?」 おば様が私の顔を見るなり纏った空気が強張った。 明らかな怪訝な顔付きに、緊張した空気がより一層張り詰める。 「……本日はお願いにやって参りました、主におば様のご子息にですが。」 「帰って。」 おば様の表情が途端に変わり、憎悪の視線が私に刺さる。 覚悟はしていた、罵られるのも蔑まれるのも。 それでもここで引き下がるわけには行かない。 「お願いです、話だけでも……」 「帰って! 私から旦那を奪ってその上一人息子まで奪うつもり!?」 「その件に関しては申し訳ありませんでした……ですが今は事態が事態なのです。」 「ですから、何卒お力添えを……」 「帰って……帰って頂戴、これ以上私から大切なものを奪おうとしないで……」 最後にそう言ったあと、おば様は扉を閉めた。 こうなったら直接あの子の元に行くしかない。 確か清澄高校に通っているはず…… 清澄といえば私達がインターハイで対局した相手校よね。 麻雀部に顔を出して少し手を貸してもらおうかしら…… 説得に成功する可能性を考えると藁にも縋る気持ちだった。 ――清澄高校・麻雀部―― まこ「さーて、心機一転部活始めとするかのう。」 優希「うー、だるだるだじぇー……おい犬ー、ダコスーダコスをくれー……」 京太郎「お婆ちゃん、タコスはさっき食べたばかりでしょう?」 優希「はて、そうだったかのう、爺さんや。」 そんな下らないやりとりをしていると 突如部室内にノックの音が響き渡る。 扉が開き、見覚えのある一人の女性が入ってきた。 霞「こんにちは、失礼するわね。」 まこ「あんた、確か鹿児島の……」 霞「はい、永水女子の石戸霞です、今日はお願いにやってきました。」 京太郎「…………!」 咲「ひっ……」 和「? どうかしましたか? 咲さん。」 咲「……ううん、なんでもないよ、和ちゃん。」 京太郎「あ、お茶葉切れてるみたいなんで、ちょっと俺買出しに行って来ます。」 まこ「……おう、行ってきんさい。」 優希「いぬー! ついでにタコスも買って来ーい!」 咲(京ちゃん……行っちゃった……) 咲(さっき、一瞬……ほんの一瞬だけど……京ちゃんが、今まで見たことないくらい恐い顔をしてた……) まこ「で、遠路はるばる鹿児島からやってきた理由はなんじゃい?」 霞「ええ、実は人を捜しているのよ。」 石戸さんが懐から一枚の写真を出した。 そこには複数人の女の子と1人の男の子が写っている。 どこか見覚えがある面々の中で一人だけ浮いた男の子は、黒髪ではあるが、正しく京ちゃんだった。 霞「この男の子を捜しているんだけど、誰か心当たりはないかしら?」 まこ「うーん、さぁのう?」 咲「あの、石戸さん?」 霞「何かしら? もしかしてこの子に心当たりがあるのかしら?」 咲「……いえ、その……この男の子を捜し出してどうするつもりなんですか?」 霞「……御家の関係もあって詳しくは言えないけど、鹿児島に一緒に来てもらうわ。」 優希「そういや名前はなんていうんだじぇ?」 霞「名前は須賀、須賀京太郎よ。」 優希・和「「え!?」」 久「あら、うちの須賀君と同じ名前ね。」 咲「部長……どうして……」 久「今、学生議会の仕事を終えてきたばかりなのよー。」 霞「それじゃさっきの男子が京太郎君ってことなのかしら?」 まこ「……まぁ、そういうことになるのう。」 霞「……京太郎君を借りてもいいかしら? こちらとしてもそれなりに便宜は図るわ。」 久「別に構わないわよ。」 咲「部長!?」 まこ「久、お前、京太郎にも聞かずに勝手に決めおって……」 久「あら別にいいじゃない、須賀君をちょっと貸すだけなんだし。」 霞「…………」 咲「でも京ちゃんが首を縦に振らなかったら……」 久「行かせるわ、恩を売っておくことは部にとってプラスになることだしね。」 咲「でも……」 久「これは部長としての最後の仕事よ、あなた達にはこれからがあるんですもの。」 霞「……では私はこれから本人に聞いてくるわ。」 優希「……行っちゃったじょ。」 まこ「…………」 優希「染谷先輩、戸棚なんて開けてどうしたんだじぇ?」 まこ「うん? いやちょっと確認をのう。」 まこ「……なんじゃ、やっぱりお茶葉は切れておらんかったか。」 京太郎「…………」 霞「捜したわよ、久しぶりね、京太郎君。」 京太郎「……お久しぶりです、霞さん。」 霞「金髪にしたのね、最初は京太郎君だと気付けなかったわ。」 京太郎「……それで、今更俺に何のようですか?」 霞「……単刀直入に言わせてもらうわ、私と一緒に鹿児島へ来て。」 京太郎「……俺らはもうそっちとは関係ないはずでしょう?」 霞「……そうも言ってられないくらいこちらは危機的状況なの。」 霞「このままだと、神代本家……いえ、霧島全体が危ういわ。」 霞「だから貴方に、助けて欲しいの。」 京太郎「……んな……」 霞「お願い、貴方の力が必要なの。」 京太郎「ふざけんな!! そっちがしてきたこと忘れたとは言わせねぇぞ!?」 霞「…………」 京太郎「あんたらが俺の親父見殺しにして! 恐くなって俺ら一家を追出したくせに今度は助けてくれだぁ!?」 京太郎「ざけんな! 虫が良すぎんだろうが!!」 霞「そう、そうよね……今更、虫の良すぎる話よね……」 霞「でも、その狙われてるのが小蒔ちゃんだと聞いたら貴方はどうする……?」 京太郎「!……どうもしませんよ……俺は、聖人君子でも何でもないんです。」 京太郎「追出された俺たちが今更あなた方を助ける義務も義理も無い……」 霞「それともう一つ、姫様を狙っているのはおじ様を喰い殺した、あの化け物よ。」 京太郎「っ!……むかつくぜ……!」 霞「恨んでくれても、殴られても構わないわ……私たちはそれほどのことをしたもの。」 霞「それを承知の上で小蒔ちゃんを助けて欲しいの。」 霞「神職に携わる人間としてでも、分家の人間としてでもなく、小蒔ちゃんの友人として……」 京太郎「……少し時間をください。」 霞「……わかったわ、あまりに急なことだし、今後の事も含めて考える時間は必要よね……」 霞「……ちなみに部長さんには既に了承を貰っているわ。」 京太郎「……搦め手ですか、貴女らしくもない。」 霞「それほど切羽詰ってるの……」 京太郎「……あまり良い返答は期待しないで下さいよ。」 霞「……でも、それでも私は待ち続けるわ。」 霞「貴方が来るまで……小蒔ちゃんのために……」 京太郎「…………」 ――須賀家―― 京太郎「ただいま。」 京太郎母「……おかえり。」 京太郎「もしかして、霞さん、家にも来たのか?」 京太郎母「そうよ、あんたどうするつもり?」 京太郎「……わからねぇよ。」 京太郎母「私は鹿児島に戻るのは反対だからね……」 京太郎「……そんなの分かってるよ。」 京太郎母「……ごはん出来てるわよ。」 京太郎「ああ、わかった、食ったら寝るよ。」 京太郎母「……そう、それがいいわね、このことはさっさと寝て忘れちゃいなさい。」 飯を食い終わったあとベッドに横たわり、身の回りのことについて整理した。 鹿児島から昔馴染みの霞さんがやってきて、姫様が危険だからと俺を呼び戻しにきた。 部長には既に話は通っていて了承済み。 姫様を狙っている相手は俺の親父の仇。 親父は糞爺共の命令で一人で行った。 その結果、相手に手傷を負わせ、何とか一時的に祓う事は出来たが、親父はそのときに死んでいる。 お袋は先代の時の元六女仙の一人だが、祟りや須賀の力を 危険視した爺共が下したあまりの仕打ちに、俺を連れて長野に越した。 まだ中学に上がる前の俺は、何の事情も聞かされずに長野に移り住んだ事に不思議だった事を今でも覚えている。 そのあとお袋にことの成り行きを聞かされ、本家とか因習というものはあまり好きではない単語になった。 頭の中で整理してもどうすれば良いか分からず、思考はぐるぐると迷い回る。 そのうちいつの間にか俺は、目蓋の重さによって眠りに落ちていた。 『京太郎くん、遊びましょう!』 『あ、姫様、いいけどどこで遊ぶ?』 『京太郎くんのお部屋がいいです。』 『わかったよ、ちょっと散らかってるけど文句は言わないでよ。』 『文句なんて言いません!』 『それでは……』 『俺の部屋へようこそ、"お姫様"』 はっとして起きる。 幼少の頃の思い出だ。 忘れたいと思っていた過去が、思い出が追いかけてきた。 そんな錯覚すら覚える夢の内容。 "くだらない"と、"切り捨てたものだ"と、そう思っていた。 それでも過去はやってきた、過去から逃げる事は出来ず、今も「まだかまだか」と俺を執拗に付回す。 どうやっても自分が生きてきた道程は、無かった事には出来ない。 「因縁ってものは、切っても切れないものなんだな……」 「"大切な仲間や家族を護るのが使命"か……それが俺達一族なんだもんな……なぁ親父……」 多分、鹿児島に行ったら長野にはもう戻って来れない。 今の内に身の回りの整理をしておこうと思った。 京太郎「よし、これでいいか。」 京太郎母「何がいいの?」 京太郎「ああ、お袋……俺行くよ、鹿児島に。」 京太郎母「あんた最大の親不孝者だね、いやこれからなるのか。」 京太郎「悪いとは思ってるよ。」 京太郎母「思っているなら鹿児島には行くな。」 京太郎「……鹿児島に戻るのは俺個人の感情だよ、決して分家とか本家とかじゃない。」 京太郎「それに、親父の仇討ちでもあるんだ。」 京太郎母「わかったよ……あんた頑固になったね、まったく誰に似たんだか……」 京太郎「ごめん、お袋。」 京太郎母「さっさとご飯食って学校行きなさい、荷物は私が纏めといてあげるから。」 京太郎「ああ、わかったよ。」 京太郎「その前に電話掛けとく。」 京太郎「もしもし、霞さん?」 霞『はい、京太郎君ね。』 京太郎「鹿児島行きの話、受けます。」 霞『そう、受けてくれるのね。』 京太郎「ええ、学校に顔出したら直ぐに支度しますんで。」 霞『では飛行機のチケット手配しておくわ。』 京太郎「お願いします。」 霞『京太郎君……ありがとう、そしてごめんなさい。』 京太郎「俺は自分の都合で鹿児島に行くだけです、霞さんに言われたからじゃありません。」 京太郎「それでは。」 学校まで行き、職員室で担任と少しばかり話して書類に少しばかり署名をした。 放課後になり、部室に顔を出す。 部室には既に染谷先輩と部長がいた。 京太郎「こんちわー」 久「あら、こんにちは須賀君。」 京太郎「部長、鹿児島の話なんですが。」 久「ええ、石戸さんから聞いたのね、もう聞いているとは思うけど須賀君には鹿児島に出向いてもらうわ。」 京太郎「そうですか、ではこれを。」 懐から退部届けを出した。 先程書いていた書類はこれである。 まこ「なんのつもりじゃ、京太郎?」 久「……須賀君、これ、どういうことなの?」 京太郎「鹿児島に行くという事は、俺が清澄から『転校』する可能性があるってことです。」 久「ちょっと……そんな事聞いてないわよ!?」 京太郎「でしょうね、霞さんが素直に言うわけが無い。」 京太郎「霞さんなんて言ってましたか?」 久「ただ須賀君を借りたいとしか言ってないわ。」 京太郎「あの人が一言でも『返す』なんていいましたか?」 久「っ!……石戸さん……とんだ食わせ者ね……」 京太郎「まぁ、飽くまで『転校』する可能性があるだけです。」 京太郎「だから退部届けだけ部長に渡しておきます。」 久「そう、わかったわ、でも『預かる』だけよ?」 京太郎「ご自由に、それでは俺は鹿児島に向かいますんで。」 まこ「京太郎。」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「咲達にはもう言ったのか?」 京太郎「……大丈夫ですよ『転校』するときはちゃんと咲達には言いますから。」 京太郎「……短い間ですが今までお世話になりました。」 京太郎「さようなら。」 まこ「…………」 久「…………」 まこ「……のう、久。」 久「私のせいかしら……」 まこ「さてのう、そんなことわからんよ。」 久「はぁ……」 俺は迎えに来た母親の車に乗って空港まで向かい、霞さんと合流したあと鹿児島行きの飛行機に乗った。 霞「こんな事に巻き込んでごめんなさい。」 京太郎「いいですよ、最終的には俺が決めたことですし、それに部長達には挨拶は済ませましたから。」 霞「許されたくて言うわけじゃないけど……事が終わったら、貴方の言う事なら何だってしてあげるわ。」 京太郎「"事が終わったら"ですか、そのとき俺はどうなっているんでしょうね……」 霞「あ……ごめんなさい、無神経な発言だったわ。」 京太郎「いえ、気にしないで下さい。」 霞「…………」 それから鹿児島に着くまでは重たい沈黙の中、一切話すこともせず、本家へと歩を進める。 神代家の敷居を跨ぐなんていつ振りだろうか。 もうこの門を潜るの事なんてないと思っていたのに。 妙な郷愁感を抱きつつ敷居を跨ごうとしたら掛け声と共に俺の体へと何かが衝突してきた。 「お久しぶりです! 京太郎君!」 「うおっ!? ……お久しぶりです、姫様。」 姫様、おもちがあたってます、今まで冷静でシリアスモードの 京太郎君の京太郎君がおかしな方向に向かっちゃうので離れてください。 絶対俺のおもち好きは霞さんとお姫様のせいだ、うん、そうに違いない。 そんな誰に言ってるかもわからない言い訳をしてる最中に矢継ぎ早に声を掛けられる。 「お久しぶりなのですよー」 「久しぶり、京太郎。」 「お久しぶりです初美さん、巴さん。」 小柄な体躯でだらしなく巫女服を着ているのは薄墨初美さん。 眼鏡を掛けた赤髪の人は狩宿巴さん。 信じられない事に(主に初美さんの方だが)二人とも俺より二つ年上である。 最後の一人に黒糖を齧りながら現れる女がいた。 「ん、久しぶり。」 「おう、久しぶりだな、春。」 こいつは少し離れた親戚(と言ってもここにいる全員は漏れなく親戚なのだが)の滝見春。 一番血筋と歳が近いはずなのに何考えてるか一番分からん奴だ。 「すまないな、京太郎君……」 「おじさん……」 中年の男性が出て来て申し訳なさそうな顔をしながら俺に声を掛けてきた。 お姫様の父親だ。 京太郎「祓う側の尻拭いは任せてください。」 自分では冗談っぽく言ったつもりだが、姫様以外には苦笑い物だったらしい。 と言うより姫様以外は全員顔に暗い影を落としていた。 知らぬは当事者の姫様のみ、ってところか…… おじさんに中に入るよう促がされ、大きな屋敷の一室に通される。 二人きりになりおじさんは少し間が空いたあと、苦々しい顔をしながら口を開いた。 小蒔父「すまないね、こんな事に巻き込んでしまって。」 京太郎「……須賀家の宿命みたいなものですから。」 京太郎「逃げられるものでもないですよ。」 小蒔父「君たちがされた仕打ちを考えたらこんな事頼める立場ではないが……」 小蒔父「君に小蒔を護って貰いたい……」 京太郎「……ええ、分かっています。」 小蒔父「……私は、我が子可愛さに君に犠牲に成ってもらおうとしている。」 小蒔父「君のお父さんの件についても……」 小蒔父「私は……最低な大人だ……」 京太郎「…………」 小蒔父「それでも私は……一人の父親として小蒔には生きていて欲しい……」 京太郎「別におじさんたちに想う事が無いとは言いませんが、親父はみんなを守るために動いた。」 京太郎「それに本家とか分家とかは好きではないですけど、おじさんがやらせたわけじゃないし、姫様も関係ない。」 小蒔父「でも、それでは君の気持ちは晴れないんじゃないのかね?」 京太郎「……もし怒りをぶつけるとしたら爺共と親父の仇に対してですよ。」 京太郎「どうせ今回、俺を呼ぶように考えたのも、奥に引篭もって偉そうに踏ん反り返ってる糞爺共でしょう?」 小蒔父「気持ちはわかるが、あまりそういう言い方は感心出来ないな……」 京太郎「っと、失礼しました。」 京太郎「とりあえず、化け物退治の方法でも考えますよ。」 小蒔父「そうか、こういう知識は君たちの方があるだろうから、そこは君たちに任せるよ、必要なものがあるなら言ってくれ。」 そう言っておじさんは部屋を出て行った。 多分、俺は生きては帰って来れないかもしれない。 少なくとも、俺自身ただではすまない。 親父が手傷を負わせたとはいえ、相手はとてつもない化け物なのだ。 ものの数分も経つと、巴さんと春がおじさんに連れられてやってきた。 この狩宿家と滝見家の二人と須賀家の俺は、所謂祓う側の人間だ。 と言っても各々の家は役割が違うし、何より須賀家は代々、祓う側の中でも少々特殊なのだが…… 巴「早速だけど、京太郎君、どうやるか決まってる?」 春「やりかたによっては必要なものが変わる……」 京太郎「八つ門で奴を祓おうと考えています。」 小蒔父「八位門、あそこか……」 京太郎「内容を簡単に言うと。」 京太郎「八つ門の一つを開けておいて俺と奴が入ったら門を閉めてください。」 京太郎「そのあと、各門の周りにお酒を撒いて札を貼ってください、そこからあとは俺がやります。」 春「そんなことしたら京太郎も一緒に閉じ込められる……」 京太郎「ああ、そうだよ。」 京太郎「そのあとは内側からもお札を貼って二重に結界を張る。」 京太郎「それが須賀のやり方だ。」 それだけ言うと周りが意味を察したのか、空気が少し変わった。 小蒔父「…………」 巴「……京太郎君、何か入用な物ってある?」 春「私たちはサポートしか出来ないけど……」 京太郎「サポートだけで十分。」 京太郎「巴さん、清めの酒とお札をお願いします。」 巴「直ぐ用意するね。」 京太郎「春には仕事用の剣を頼めるか?」 春「わかった。」 小蒔父「私に出来る事はないかね?」 京太郎「……では、女物の服……白無垢がいいか、それと玉串とかを用意してもらえますか。」 小蒔父「何に使うかは知らないが揃えておこう。」 これでいいのか、これでいいんだ。 これからやる事に、皆に少しは巻き込まれて貰おう。 どうせ貧乏くじ引かされたのは俺なんだ、少しわがまま言って皆に動いてもらっても罰は当たらないだろう。 春と巴さんが戻ってきた。 どうやら明日までには用意できるらしい。 小蒔「何をしてるんですか?」 初美「あ、姫様、今の隣の部屋の会話を聞いているんですよー。」 霞「初美ちゃん……なんでそんなことしてるの……」 初美「えー、だって気になりませんかー?」 初美「私たち"降ろす側"は"祓う側"のやってる事を知らないんですよー?」 霞(そうだったわ、初美ちゃんや小蒔ちゃんは知らないのね。) 霞(私は事前に聞かされていて知っていたけれど、この二人には聞かせない方がいいんじゃないかしら……) 霞「ちょっと、盗み聞きなんて行儀が良くないわよ。」 初美「ちょっとだけですよー。」 初美「ほら、姫様も。」 小蒔「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけですよ……」 霞「小蒔ちゃんまで……んもう!」 小蒔父「言われた物は粗方揃ったみたいだね。」 小蒔父「それで他になにかあるかい?」 京太郎「……では、準備が整ったら姫様との婚礼の儀を執り行わさせてください。」 小蒔「え!? えー!?」 霞「しっ、小蒔ちゃん、静かに。」 初美「バレちゃうですよー。」 小蒔「ごめんなさい……」 小蒔父「それで玉串や白無垢を用意させたのかね……」 小蒔父「……だが、君の年では結婚は出来ないだろうに。」 京太郎「ええ、ですから形だけで良いんです。」 京太郎「少しでも作戦を成功する確率を上げるためにも。」 初美「どういうことですかー?」ボソボソ 霞「……多分、神様の前で縁を取り持ってもらい、お酒を飲むことによって神様のお力添えをしてもらうつもりなのね。」 霞「婚礼で使う玉串も神様の依代とされているのよ。」 霞「お酒は神様との交流の手段でもあるわ、特にお神酒とかは神様の霊力が宿っているから。」 初美「あー、そういうことですかー。」 京太郎「そのあと姫様が着た白無垢を頂いてもいいですか?」 小蒔父「白無垢なんて使って何をするつもりだね?」 京太郎「相手を油断させやすくするためですよ。」 おじさんとの話が終わったところで、一度向き直り、やや大きい声を出す。 京太郎「と、言う事で良いですか? 姫様。」 小蒔「ひゃい!?」 初美「……どうやらバレてたみたいですよー。」 霞「久しぶりだったから忘れてたわ……須賀家の人はこういうのには妙に鋭いのよね……」 3人がおずおずと部屋に入って来た。 姫様が俺の顔とおじさんの顔を交互に見やり、口を開く。 小蒔「あの、あの……本当にやるんですか……?」 京太郎「形だけでいいので、付き合ってもらえませんか?」 京太郎「俺が嫌なら仕方ないですけど。」 小蒔「い、いえ、そういうことではないんですが……」 小蒔父「小蒔、精々白無垢を着て三献の儀(三々九度のお酒)をするだけだ、付き合ってあげなさい。」 小蒔「あ、は、はい、わかりました。」 おじさんが何かを思い出したように俺の傍にやってくると、軽く耳打ちした。 小蒔父「……そうだ、もし、御歴々に復讐したいと思っても意味のないことだと思うよ。」 京太郎「?……どういうことですか?」 小蒔父「人が許されざる道を選んだときは勝手に自滅の道を選ぶものなのさ。」 小蒔父「まぁその前に老い先短いのだからお迎えが来るだろうがね。」 何となくおじさんも爺共の姿勢が嫌いなのはわかった。 こっち側の人間という事がわかって少し嬉しい。 そしていよいよ、神前で婚礼の儀をしたのだが、緊張していて、あまり覚えていない。 それは小蒔ちゃんや斎主をやったおじさんも同じだったようだ。 小蒔ちゃんは巫女だし、おじさんは神主だからこういうことは慣れているはずだろうに…… 俺の記憶にあるのは三々九度のお酒を飲んだくらいか…… もうやる事はやった、これから根の国へ向かうカウントダウンが始まるだろう。 逃げられないし、逃げる気もない。 独り、昔懐かしい場所で気持ちを固めていたら、横から声を掛けられた。 霞「京太郎君、少し良いかしら。」 京太郎「構いませんよ。」 霞「……いつ、出るの?」 刺さる視線と共に、短く、そう聞かれた。 京太郎「お酒が抜けたら、着替えて八つ門へ向かいます。」 霞「そう……」 短く返され沈黙が続く。 ふとお酒を飲んでいた小蒔ちゃんが気になった。 京太郎「霞さん、お姫様はどうしていますか?」 霞「小蒔ちゃんはお酒を飲んだせいか寝ているわ。」 京太郎「そうですか。」 京太郎「……それでは霞さん、さようなら。」 霞「ええ、さようなら……」 霞「……さようなら、か。」 彼は覚悟していたのだろう、これが今生の別れになるかもしれないと。 それが自分の、延いては須賀家の歴史が終わるとわかりながら、宿命を受け入れたのだ。 霞「京太郎君はおじ様と同じ道を辿るのよね……」 小蒔「え……」 霞「!?……小蒔ちゃん……?」 小蒔「どういう……ことですか……?」 小蒔「京太郎君が須賀のおじ様と同じ道を辿るって、どういうことですか……!?」 霞「そ、それは……」 小蒔「須賀のおじ様は数年前に川の氾濫に巻き込まれて亡くなったって……」 小蒔「それでどうして……京太郎君も同じ道を……辿るんですか?」 霞「…………」 迂闊だった、聞かれてしまった。 姫様にこのことが知れたらこうなる事がわかっていたのに…… 霞「わかったわ、簡単にだけど話すから聞いてね……」 小蒔「はい……!」 もうそろそろ、支度をするとしよう。 家から持ってきた鞄から、親父の仕事着を取り出す。 下には純白の括り袴を穿き、上半身には白小袖を。 更にその上から、動きやすいように多少作り変えられた浄衣を着る。 そのあと朱色の指貫のグローブを着けて、用意してもらっていた数枚の御札と剣を携える。 あとは白無垢を被れば準備完了だ。 当の白無垢を取りに行く為、小蒔ちゃんの部屋を訪ねる事にした。 部屋の前で声を掛ける。 少しの間のあと、小蒔ちゃんの声が返ってきた。 何処か暗い声色。 戸を開けると、何故か不機嫌な顔をした小蒔ちゃんと霞さんがいた。 霞さんは俺の顔を見て立ち上がると、近くまで寄ってきて耳打ちした。 霞「ごめんなさい、成り行きとはいえ、少し、小蒔ちゃんに貴方の事を話してしまったわ。」 京太郎「……わかりました。」 そう言ったあと霞さんは部屋を出て行った。 小蒔「霞ちゃんから聞きました、京太郎君、これから危険な所へ行くんですよね……」 どうやら霞さんは小蒔ちゃんに全てを話した訳ではない様だ。 単純に妖魔退治の類だと思ってくれているのだろう。 小蒔ちゃんに咎められない事をほっとしていると小蒔ちゃんが続ける。 小蒔「白無垢がいるんですよね?」 京太郎「ええ、出来れば頂きたいのですが……」 小蒔「そこで待っていてください。」 小蒔「……はい。」 小蒔ちゃんが俺に白無垢を着せてくれた。 そして片手に何か持っていて、それを目の前に差し出してきた。 小蒔「これを、私だと思って持っていってください……」 京太郎「これは、簪?」 小蒔「これが京太郎君を護ってくれることを祈ってます。」 京太郎「櫛の原型、髪に挿すことによって魔を払う、ですか。」 京太郎「有り難く頂いていきます。」 小蒔「必ず……生きて帰ってきてください……」 京太郎「それは……」 小蒔「約束です!」 そういって小蒔ちゃんは、俺の右手を無理矢理取って、小指を絡ませた。 小蒔「ゆーびきーりげーんまーん、嘘吐いたーら針せんぼーん飲ーます、ゆびきった。」 京太郎「死人には、針は飲めませんよ……」 小蒔「京太郎君は死にません!」 京太郎「でも、もし死んだら?」 小蒔「そうしたら私が飲みます。」 京太郎「そんなことしたら姫様が死んじゃいますよ。」 小蒔「……そういう意味です。」 京太郎「俄然、死ねなくなってきましたね……」 小蒔「はい、だから生きて帰ってきてくださいね。」 きっと小蒔ちゃんは察したんだろう、今回のがどれだけ危険なのかを。 もし、祓い切れなかった時は須賀の人間がどうするか、そしてどうなるかを。 最低で道連れ。 最善で生還。 これが目標になる。 京太郎「それでは行って来ます。」 小蒔「いってらっしゃい……」 軽い別れを告げ、決戦場まで足を向ける。 八つ門に辿り着くとそこには既に春と巴さんが待機をしていた。 巴さんも春も何も言わない。 これから起こることが、これから何をするのか大体想像が付いているからだ。 声を掛けないでいるのは信頼の証と思って受け取った。 八つ門の内、一門開いているところから入る。 あとは待つだけだ。 暫くするとなにやら音が聞こえてきた。 川が流れてくるような地を這う音。 傷を負ってか隻眼ではあるが、牛など軽く一飲みしそうな巨躯の大蛇が一門から入ってきた。 その大蛇が語り掛けて来る。 《白無垢を着て花嫁の真似事か?》 《我に嫁入りとは殊勝な心掛けだな……》 大蛇がそうせせら笑う様に言うと一門が閉められた。 蛇は門のことなど意にも介さず続ける。 《だがな、臭う……臭うぞ……》 《どんなにその白装束で誤魔化しても臭う……》 《忌まわしいあの男と同じ血の臭いが!》 「なんだ、バレてたのか、小細工って案外通用しないものだな。」 白無垢を脱ぎ捨てて剣を構える。 門に貼るお札の準備も大丈夫だ。 《この眼の代償は貴様ら一族の血で償ってもらうぞ!》 この世の物とは思えないほどの巨体がうねりながら、その隻眼を以って俺へと照準を定める。 金切り声を発したと思った次の瞬間、その巨大な顎が俺を飲み込もうと大口を開け、禍々しい牙を突き立てようとしていた。 攻撃を寸での所で右へ左へ身を躱しながら門にお札を貼る。 これで第一目標はクリアだ。 大蛇はその巨大な尾を以って叩きつけようとしてくる。 なんとかフェイントを入れながら横っ飛びに転がって回避する。 当たったら堪ったものじゃないだろう、その証拠に叩きつけられた石畳の床が捲れている。 尾や噛み付きに因る攻撃を躱しながらも剣で一太刀、二太刀と切り込んでいく。 その内傷だらけになった蛇が怒号を飛ばす。 《ええい! ちょこまかと煩わしい!》 その声と共に顎と尾の同時攻撃が始まる。 同時となると躱し切れなくなって来る。 このままではいずれ手詰まりになるので、跳躍して落下する勢いで尻尾を切断した――が…… 切断したと同時に剣が折れてしまった。 どうやら硬い何かに刃が当たってしまったようだ。 「やべぇ……!」 剣が折れたことに戸惑っていると蛇の巨体が鞭のように撓り、俺の身体を叩きつける。 とっさに左手で庇ったものの、体が玩具のように吹き飛ばされてしまい、 壁に叩きつけられ、糸の切れた操り人形のように床に落ちる。 どうやら先の攻撃で身体を庇った左手が原型がわからないくらい拉げ、肋骨も何本か折れたようだ。 痛みで動けないでいると大蛇の顎が俺の身体を捕らえる。 《かかかか……どうした? 我の尻尾を切断したくらいで勝利を確信したか?》 この世の不吉全てが籠もっているような瞳で俺をニヤニヤと嘲笑するように覗いている。 《忌々しい血族の生き残りだ……このままじわじわと絞め殺してやろう!》 「ぐあああぁぁ!?」 折れた骨が顎で締め付けられる。 体が軋み、悲鳴を上げる。 《良い鳴き声だ……もっと聞かせて貰いたいな……》 「余裕かましていると……足元掬われるぜ……これでも食らいな!」 勝利を確信し、俺を嬲り殺そうとする蛇の残った片目に髪に挿していた簪を突き刺した。 《ぐおおおぉぉぉ!?》 京太郎「へへっ、目刺しになった気分はどうだ、姫様の櫛は特別効くだろう?」 残った片目を簪で潰された蛇が悲鳴を上げながらのたうつ。 折れた剣を捨て、とある神様を降ろすために目を瞑り、所謂トランス状態になるよう意識をシフトする。 祈るように神降ろしの成功を願う。 その内、どこからともなく頭の中に直接、声が聞こえてきた。 『俺を呼ぶのはお主か? 童(わっぱ)、名はなんと言う……』 「須賀京太郎と申します。」 『して、何のためにこの大蛇と戦う?』 「……可愛い女の子を助ける為というのは駄目でしょうか?」 『くくくく、そうか女子(おなご)のためか……』 『豊穣の稲田を彷彿とさせる頭髪も中々に良い……』 『何より須賀という姓……』 『……気に入った、童に力を貸してやる。』 『そこにある剣を取れ、俺が力を貸すのはこれだけだ。』 『あの蛇を屠れるかどうかはあとは童次第だ、くたばらんようにな。』 「ご助力感謝致します。」 切断した蛇の尾から覗く剣を引き抜き確かめてみる。 錆びてはいるもののやはり親父が持っていた剣だった。 俺が錆びた剣を手に取り、翳(かざ)した途端、剣が様変わりしていく。 今まで実際には見たことの無い剣だったが、どういうものかはわかっている。 京太郎「やっぱり大蛇と言えばこの剣だな……」 京太郎「拾い食いしたら腹壊すってこと、良く覚えておけ!」 京太郎「親父の剣でてめぇに引導渡してやんぜ!」 剣を逆手に取り、巨大な大蛇の脳天に刺す。 今度は剣を順手に持ち替え、引き抜き、そのまま蛇の首を落とし、致命傷を負わせた。 切り落としたあと、蛇の断末魔と恨み言が木霊する。 《ぎゃああぁぁぁぁ!!》 《おのれ……おのれぇ……忌まわしい須賀の血を絶やせなかったのが口惜しや……口惜しや……》 それだけ言って大蛇は毒々しい紫の血の泡となって消えていった…… 役目を終えた親父の剣は、元の錆びた剣に戻り、ぼろぼろに朽ち壊れてしまった。 まずい、意識が朦朧とする…… 蛇から食らった攻撃で満身創痍になっていた身体をなんとか這いずって門の外へと出る。 簪を片手に俺の意識はそこで途切れた。 春ちゃんと巴ちゃんがぼろぼろの京太郎君を担いで戻ってきた。 小蒔ちゃんは酷く狼狽している。 とにかく彼の手当てをして、床に就かせることにした。 今は小蒔ちゃんが彼の傍に付いている。 だけどそろそろ小蒔ちゃんも限界だ。 怪我を負った京太郎君よりも…… 京太郎君の看病をする小蒔ちゃんの様子が痛々しかった。 小蒔ちゃんの手は何度も身体を拭くために水に付けたせいで赤くなり、目の下には濃い隈が出来ている。 もう何日も小蒔ちゃんは寝ていない。 私が小蒔ちゃんに休むように言っても、首を頑として縦に振らない。 京太郎君から離れようとしない。 京太郎君は生きているだけでも奇跡であるくらいの傷を負っていた。 逆を言えば今は小康状態を保っているとはいえ、いつ容体が急変してもおかしくはなかった。 未だに意識を取り戻さない彼に対して、小蒔ちゃんはいつも語りかけている。 「知っていましたか? 京太郎君。」 「私、実は『姫様』って呼ばれるのは好きじゃないんです。」 「周りが私に期待してそれが重圧に感じて……」 「でも、不思議とあなたの『お姫様』は嫌いじゃありませんでした……」 「あなたの呼び方は揶揄う様で、どこか優しくて。」 「でも、どうせなら『小蒔ちゃん』って呼んでくれた方が私は嬉しいです……」 「だから早く元気になってください……」 それを聞いて胸が苦しくなる。 罪悪感が私の胸に圧し掛かる。 これが彼を巻き込んだ私への罰なのかしら…… 「小さい頃はよく皆で遊びましたね……」 「京太郎君は稽古を抜け出していたから怒られていましたけど……」 「川に行って水遊びしたときも楽しかったです……」 「うふふ、あのときは水に流されかけてびっくりしました。」 「今となっては良い思い出ですね……」 「あと、小さい頃といえば……」 そこまで言って小蒔ちゃんの言葉が詰まった。 目には滲む何かがある。 彼と話すことは子供の頃ばかり…… 「なんで……でしょう、今……あなたはここにいるのに……」 「小さい頃のことばかり思い出すのは……」 涙がぽろぽろと零れ落ちている。 やはり小蒔ちゃんも限界だったのね。 女の子を泣かせるなんて、京太郎君も酷い男だわ…… 小蒔ちゃんは涙声で彼に言葉を投げかける。 「急に遠くへ行ってしまって……」 「いきなり戻ってきて……」 「かと思ったら今度は大怪我をして戻ってきて……」 「京太郎君は勝手過ぎます……」 「もう……勝手なことしたらだめですよ……」 「勝手に逝ってしまったら、許しません……」 「絶対に許しませんから……」 小蒔ちゃんが言い終わったとき、微かに彼の眉が動いた。 「うっ……」 「!?」 「……あの神様、やる事が荒っぽいぜ……」 「京太郎君……? 京太郎君!? 京太郎君!」 「へ? 姫様?」 「良かった……意識を取り戻してくれました……」 「本当に良かったです!」 小蒔ちゃんが思わず京太郎君に抱きついていた。 これで一先ず安心できる。 「ぬわぁ!? いっだだだ!? 姫様離れて!? 俺、骨折ってるから!」 「あ、すみません、私ったら……」 「……あーその、姫様にはお世話かけましたみたいで。」 「そんなことありません……私が掛けた迷惑に比べれば……」 「姫様のおかげで、俺は帰って来れたんですよ。」 右手にずっと持っていた簪を差し出し、笑顔で応える。 「多分これがなかったら俺は帰って来れなかった。」 「簪、汚れちゃいましたし、他のを用意しないとですね……」 「怪我が治ったら新しい簪を買いに行きましょう。」 「はい! 一緒に行きましょう!」 「あ、その時はちゃんと私を守ってくださいね?」 「ええ、いいですよ。」 「なんたって俺は……」 「神代の……いや、小蒔ちゃんの守人ですから。」 【京太郎「神代の守人」~蛇殺し編~】 カン
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特別編 文化祭おまけ 照「…………」紅茶まみれ 咲「あ、えっと……その……」 「み、宮永さん!?も、申し訳ありませんお客様!!」 「すぐに何か拭くものを!!」 照「……咲?」 咲「ひっ!?」 照「怒ってないよ?ただ、さすがにこれは無いよね?」 咲「お、お姉ちゃんごめんなさい……」 照「転んで飲み物を狙ったようにかけるなんて……私でも中1までしかやってないよ(ボソッ)」 咲「うぅ……」 京太郎「……咲?それに照さん!?」 照「京ちゃん!?そ、その恰好……」 京太郎「あ、やべ……ゴホン、照お嬢様、一体どうなさいました?大体の予想はつきますが……」 照「て、照お嬢様!?」 咲「きょ、京ちゃん……その……」 京太郎「申し訳ありません、こちらの不手際でこのような不快な思いをさせてしまって……すぐにシャワーとお召し物のご用意をさせていただきます」 京太郎「おい、シャワー室と何か女子のジャージかなんか用意できないか?」 「シャワーはすぐいけると思うけど……ジャージなんて持ってきてる人いる?」 「いても汚れてたり使ってたりでしょ。宮永さんの制服とかは?」 咲「私メイド服で帰るの!?」 京太郎「さすがに原因とはいえ咲が可哀想だな……俺もジャージとかないし、俺の服貸す訳にもな……」 咲「お姉ちゃーん、京ちゃんの制服でいいー?」 照「おっけー」 京太郎「おい咲!?照さんもいいの!?あ、よろしいのですか?」 照「別にいい。それより」 京太郎「はい?」 照「執事が失態を犯して、何も無し?」ニッコリ 京太郎「はい、照お嬢様、アーン」 照「あーん……ん、おいしい」 京太郎「それは何よりです」 照「次は紅茶が欲しいかな」 京太郎「……照お嬢様?」 照「何?」 京太郎「差し出がましいことを言うようですが……さすがに男性の膝の上にずっと座っているというのは、少々はしたないのでは?」 照「執事が命令を聞けないというの?」 京太郎「……了解致しました。紅茶の砂糖はいくつになさいます?」 照「2つで」 咲「お姉ちゃんずるい……」 「執事な須賀くんの膝の上に座ってアーンまで……羨ましすぎる……」 「おまけにそのまま30分も……これがチャンピオン……」 「宮永さん、私にこの紅茶かけて」 咲「それ熱いやつだよね!?やめてって!!」 照「次はスコーンで、もちろん食べさせてね」 京太郎「……そろそろ勘弁してもらえませんか?」 照「……だーめ」 京太郎「かしこまりました……麻雀部の方に行くまでにはお願いします」 照「……京ちゃん次第かな」 この後、嫉妬の化身と化した咲とのインハイ時以上の対局が始まるのだった
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特別編 本編とは完全に別の世界での下ネタ、というかエロ日記 誰にとは言いませんけど、ヤられたらヤリ返すのが礼儀です ※京太郎以外みんな下ネタエロボケ連発します。パロとかパクなんとか、その辺りです ※キャラ崩壊ってレベルじゃねーぞ、な内容なのでそういうのがNGな人は数レスほどスルーでお願いします ※この特別編に限っては、苦情、文句等は『一切受け付けません』。ヨソはヨソ、ウチはウチ理論コレ最強ってどっかで言ってましたし ※ここまですべて許容できる人のみ、続きをどうぞ 6月9日 部室に行くと部長が寝ていた そろそろ部活が始まるので起こすとまだ寝ぼけているのかすこしぼんやりとした感じだった ちょっとグッときた。押し倒したかったがまだ我慢だ いきなり押し倒すのも悪くないがシチュエーションが大事だ 普段キリッとしているが、だからこそ抜けている時がねらい目だ 寝起きで下着の青色が見えたりしたが、まだ我慢しておこう。誰も居ない時、不意打ちでいこう 07月21日 部活中、染谷先輩がメイド服だった どうやら制服を汚してしまったらしく、とりあえず持っていたメイド服に着替えたらしい オーソドックスなロングスカートのメイド服だったが、超ミニスカートのきわどい奴もあるらしい 是非今度着てもらおう 無論主従プレイで プレイ中は半脱ぎで眼鏡はピロートークで取ってもらおう 08月1日 今日も部活、だが今日は一段と暑かった 暑さで和は服が透けていた。綺麗なピンク色だった。やっぱ暑いと付けないのか 和も流石に暑かったのか少しダレていた 具体的に言えばベッドに横になってスカートが捲れていた。いい形だったな でも夏休みとはいえ、上も下も付けないのはどうかと思う 今度念入りに調教してやろう。最初は優しく、徐々にならしていこう 8月2日 部活の帰り道、優希が転んでタコスを思いっきり落とした。白だった 流石の優希もこれには涙目だった 泣いてる優希に興奮した こいつ、ベッドの上でもこんな風に泣いてしおらしくなったりなるのか? それ以上考えるとそのまま襲いたくなってしますのでとりあえず俺も買っていたタコスをあげた タコスを頬張る優希が別のモノを頬張っているようで良かった 9月2日 2学期が始まったばかり、今日は部活は休みだ 俺と咲以外、用事があるらしい どうしようかと考えていると、木陰で本を読んでいる咲を見つけた 少し咲と話そうと思い、近くまで行くと呼んでいる本のタイトルが見えた。官能小説だった 咲に内容を聞くと、幼馴染の2人の話らしい 引っ込み思案な女の子と明るい男の子、2人はそれなりに仲良い友達だったが、ある日不意に女の子が見せた色気に男の子の理性が…… 京太郎「……なんだこれ」 久「え?日記じゃない。須賀くんの」 京太郎「俺は日記といえここまで欲望に素直に解放してませんよ。つーかこんな色情狂じゃねーよ」 まこ「いやな?昨日お前が帰った後、机にお前の日記が置きっぱなしだったんじゃよ」 優希「で、読むだろ?」 和「こう、この時はひょっとして、もっとこんなことを考えていたんじゃないのか、という話になりまして」 咲「みんなで京ちゃんの欲望を正しく書いた日記を書いてあげたんだよ?」 京太郎「それ既に俺の日記じゃない別の何かだよ!!」 京太郎「わざわざそれっぽいノート新しく買って書いて!!」 京太郎「ご丁寧に微妙に日記の内容とリンクしてるし!」 久「え?こう、寝起きってグッとくるでしょ?」 京太郎「あの時竹井先輩狸寝入りだったじゃないですか!」 京太郎「下着なんて見えてないし!」 久「えー、須賀くんの隠されたもの見ちゃったから、こう、私の隠されたものを……」ススス 京太郎「スカート徐々に持ち上げない!」 京太郎「染谷先輩はこの日メイド服だっただけじゃないですか!」 まこ「ホントに持って来とったぞ?超ミニスカートのきわどい奴」 まこ「そういえばあの時の奴は無いが、ここに堕天使エロメイドっちゅうのが…」ゴソゴソ 京太郎「それはちょっと止めといてください。他のとこで危ない気がします」 京太郎「和のはもうあの日の出来事の原型ないよね。暑かっただけしか残ってないじゃん」 和「あの日付けてなくて透けさせようとしたのは本当ですよ?」 京太郎「うん、全力で阻止したよね」 和「むぅ……今だって穿かずに…」ススス 京太郎「お前までスカート持ち上げるな!」 和「そうですか、じゃあ」ゴソゴソ 京太郎「脱ぐな!!」 京太郎「優希……普通にタコスやっただけなのになんでこうなるんだよ……」 優希「そうだな……ここにタコスがある」 優希「これを……ほうひははほうひへはいは?(こうしたらそうみえないか?)」 京太郎「タコス咥えて喋らない!」 咲「…………」ワクワクドキドキ 京太郎「……じゃ、解散」 咲「え!?ちょっと京ちゃん!!なんで私には何も無いの!?」 京太郎「お前のこれなんだよ。日記ですらない、小説じゃねーか。つーか途中で終わってるじゃねーか」 咲「書ききれてないだろ!的なツッコミを期待して用意したのに」ドサッ 京太郎「原稿用紙!?それも何枚あんの!?」 咲「つい、書いちゃった☆」テヘ 和「ほうほう……いいですね」ペラッ 京太郎「なんか読んでるし!」 和「なかなか……あ、すいません。濡れてきて原稿を汚しそうなんで、手洗って来ていいですか?」 京太郎「消去!」ビリッ 咲「あぁっ!?なんてことするの!!それコピーとか取ってないのに!!」 和「いいところでしたのに……ちょうど48手を3分の2ほど試した辺りが」 京太郎「どんな内容!?」 咲「和ちゃん読むの早いね。そこから野外で女の子に首輪つける辺りがちょっと自信あって……」 京太郎「もう日記関係ねーじゃねーか!!」 結局エロボケに翻弄され続ける京太郎 そうして日記を読まれたことが有耶無耶にされたことに、京太郎はまだ気付かない カンッ!!
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363270801/ 関根「次の方どうぞ!」 豊音「こ、こんにちはー……」カタカタ 関根「好きな食べ物はファミチキです」 ワハハハハ 関根「えー、友だちがそっくりさん、誰の?」 豊音「県予選落ちの小瀬川白望です!」 関根「それでは小瀬川白望さんのそっくりさん、どうぞ!」 久「いやーここまでいいホテルで合宿できるとはねー」 京太郎「ふふっ、そうでしょうそうでしょう!」 咲「まさか京ちゃんがあそこまで小瀬川さんにそっくりだったとはね」 京太郎「小瀬川さんありき!?」 優希「なんだかんだで犬は役に立つやつだじぇ!」 和「ですね」 京太郎「和までそんなこと言うのかよぉ!」 豊音「あ、宮永さんだー!」ドタドタ 豊音「久しぶりだよー!」 咲「姉帯さん、お久しぶりです」 豊音「久しぶりだねー!」ギュー 咲「あっ姉帯さん!?締まってます!入ってます!」 豊音「ちょーうれしーよー!」ギュー 咲「ギブ、ギブ……」 エイスリン「」キョロキョロ まこ「試合のとき以来じゃの」ポン エイスリン「!」バッ まこ「そんなに身構えんでもいいじゃろ……」 エイスリン「ワカメ!ユルスマジ!」カキカキ バッ |人を蹴る絵| まこ「正直すまんかった」 塞「やっ、元気?」 和「貴方は……薄墨さんでしたか?」 塞「それは永水の人だね、結構傷つくな……」 和「……あ」 塞「思い出した?」 和「愛宕さん、でしたよね?」 塞「もうボケとして捕らえておくよ」 久「よっ、おチビちゃん」 胡桃「うるさいそこ!チビとか言わない!」 久「そう、なら……」 久「子猫ちゃん」ボソッ 胡桃「あんまり変わってないよ!」 久「あらそう、じゃあ子犬ちゃんとかは?」 胡桃「びみょーだね」 久「……人を褒めるのって難しいわね」 胡桃「口説いてるようにしか思えなかったよ」 白望「……だるい」 京太郎「ここどうぞ」 白望「ん……」 京太郎「相変わらず全然しゃべらないんすね」 白望「だるいから」 京太郎「その返しはわかってましたよ」 久「さあさあ!いよいよ部屋決めよ!」 久「取ってある部屋は二人部屋5つと一人部屋1つ、どこ行きたい?」 豊音「私は宮永さんとがいーなー!」 久「それじゃあ私は鹿倉さんにしようかしら」 胡桃「えー……」 久「あら、不服そうね」 胡桃「疲れそう……」 まこ「んじゃ、わしもよろしくのう」 エイスリン「!」バッ まこ「じゃからなんでそんなに避けるんじゃ……」 優希「のどちゃんは私と一緒の部屋だじぇー!」 和「私は咲さんと一緒の方が……」 優希「まあまあそう言わずに、乙女二人でガールズトークをしようじゃないか!」 和「はぁ……」 塞「余っちゃったね」 白望「うん」 塞「私たちで組もっか」 白望「うん」 塞「…………」 白望「うん」 塞「今日の天気は?」 白望「うん」 塞「だめだこりゃ」 京太郎「それじゃあ俺が一人部屋っすか?」 久「言ってなかったかしら?須賀くんは野宿よ」 京太郎「……は?」 久「他の部屋が満室で取れなかったのよ」 京太郎「一人部屋1つっていうのは……」 久「あっちの監督さんが泊まるのよ」 久「合宿のしおりにも 『須賀くんは寝袋・テント持参のこと』 って書いてなかった?」 京太郎「いやいやそんなオカルト……」ペラペラ 京太郎「…………」ジーッ 京太郎「……ウソだろ」ガクッ 久「それじゃ、もう私たち行くわね」 京太郎「部長の鬼!悪魔!」 久「はっはっは、何とでも言いなさい!」 胡桃(趣味が悪い……!!) 久「温泉は入っていいらしいから、じゃあねー」 咲「あ、あはは、頑張ってね」 優希「後で差し入れでもしてやるじぇ」 京太郎「そんなのいくらなんでもあんまりだ!あぁぁあんまりだあああああ!」 カポーン 京太郎「ははっ、混浴かも!とか期待するだけ無駄だったぜ」 キャッキャ ワーワー 京太郎「みんな楽しそうだな、この穴、この穴から見れねえかな……」ジーッ 京太郎「シロさん、結構大きかったからな……見えないかな」ジーッ 京太郎「……」ジーッ 京太郎「…………」 京太郎「なんだろ、目から汗が出てきたぞ」 豊音「わぁー!原村さんのちょーおおきいよー!」 塞「豊音のもなかなかだけどね」 エイスリン「」キョロキョロ 白望「……だる」タプン 優希「のどちゃんは泳がないのか?」ストーン 和「はしたないですからやめましょう」ドタプーン 豊音「あはは、ちょーたのしーよー」タプン 胡桃「泳ぐのやめるそこ!」ストーン 塞「どれ、私も泳いでみようかな」タプッ 久「どうせだし競争してみましょうか」タプッ まこ「やめい」 エイスリン「……」ストーン エイスリン「…………」 咲「」カタポン エイスリン「?」フリムク 咲(´;ω;`)ブワッ エイスリン(´;ω;`)ブワッ 【屋外・テント】 京太郎「くっ、夜風が沁みるぜ」 京太郎「そろそろ寝よ」 優希「京太郎ーちょっといいかー」 京太郎「優希か!」ガバッ 優希「これ、さっき言った差し入れだじぇ」 京太郎「タコス!タコスじゃないか!」 優希「犬の身体を気遣うのが主人の役目だからな!」グッ 京太郎「優希……」キラキラ 優希「京太郎……」キラキラ 京太郎「誰が犬だ、誰が」ペシッ 優希「痛っ!お前に決まってるじぇ!」ペシッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「……でもま、ありがとな」 優希「おう!」ペシペシ 京太郎「痛いから叩くのやめて!」 和「須賀君、よろしいですか?」 京太郎「和!和なのか!?」ガバッ 咲「私もいるよ」ジトッ 和「これ、私からの差し入れです」 京太郎「チビエトペン、こんなのもあるのか!」 和「抱き心地ばつぐんなので、洗って返してください」 京太郎「ははっ、言葉が痛いぜ、胸に刺さるぜ」 咲「これは私からだよ」 京太郎「小説か、枕にちょうどいいな」 和「……」ジトッ 咲「……せっかく和ちゃんと選んできたのに」ジトッ 京太郎「いや!冗談だから!そんな目で見ないでくれ!」 咲「ねえ、京ちゃん」ゴゴゴゴゴ 咲「グーパンで許してあげるよ」ゴッ 京太郎「えっ、いやっ、まっ――――」 久「はろはろ~」 まこ「起きとるか?」 京太郎「ばっちりですよ、ははっ……」ボコボコ 久「顔がえげつないことになってるわよ?」 京太郎「わかってます」 まこ「これがわしの差し入れじゃ」つワカメスープの素 京太郎「自虐ですか?」 久「私はこれ」つお湯 京太郎「あっ、二つ合わせて一つってやつですか」 久「正解♪」 まこ「夜食にでもどうかって思って持ってきたんじゃが、だめか?」 京太郎「いえ、ありがたく受け取っておきます」 京太郎(もう文句は言わないようにしよ……) 豊音「須賀くん起きてるー?」 塞「やっ!」 胡桃「差し入れに来たよ」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「すみません、わざわざ」 塞「いいからいいから、宿泊券もらえたのは須賀くんのおかげだったのに、こんなことさせてたら悪いし」 胡桃「シロは後で来るって!」 豊音「マッサージ機に座り込んだまんまだったからねー」 京太郎「そうですか……」 塞「あっ、やっぱりシロのこと狙ってたりする?」 京太郎「狙うとかそんな!」 塞「ほら、シロって結構あるじゃん?」モチモチ 塞「男の子ってそういうのが好みなんじゃないの?ねえねえ」ウリウリ 胡桃「不潔!」 エイスリン「ケッ、コノゲスガ」 京太郎「二人とも言い方ひどくないすか!?」 豊音「まーまー、そんな須賀くんに……はい」 京太郎「どんな俺ですか……これは?」 豊音「プロ麻雀せんべい第一弾ホログラフィックレア瑞原はやりプロのカードだよ!」 京太郎「おお、これは……なかなかのなかなか」 豊音「あ、後で返してくれるとうれしいなー」 京太郎「ちゃっかりしてますね」 豊音「もちろん!宝物だからね!」 京太郎(その宝物を貸してくれるってことは信頼されてるってことだよな……) 豊音「お守りみたいに持っててよ!」 胡桃「私はこれをあげるよ!」つCBP 京太郎「CBPって……何年前ですか」 胡桃「騙されたんだよ!酷いよ!何が 『カルシウムを摂るには量じゃない♪』 『CBPがぁ~』『大事なんだよ!』だよ!」 胡桃「おかしいよ!乙女の純情を弄ぶなんて!」 京太郎「鹿倉さんは乙女というか幼女な気が……」 胡桃「あ゙あ゙ん?」 塞「私はこれ」つぽたぽたやきお徳用 京太郎(イメージ通りだなぁ) 塞「今失礼なこと考えたよね?」 京太郎「いやいやそんなまさか、臼沢さんがおばあちゃんじみてるとかそんなことは……ハッ!」 塞「ふーん?そこまで考えてたんだぁ?」ニッコリ 京太郎「あ、今のはその……違うっていうか……その……」 京太郎「グーパンだけは勘弁してください!」ドゲザー 塞「……じょーだんじょーだん!」 京太郎「えっ」 塞「ほら顔上げて」 塞「男が土下座するのは彼女の親御さんに挨拶するときだけ、だよ」 塞「だから土下座なんかしちゃダメ、OK?」 京太郎「はい!」 京太郎(こっちの部長とは大違いだ!岩手に生まれりゃよかった!) 塞「よし!それじゃあ金的で!」 京太郎「やっぱり鬼だよこの人たち!」 塞「あはは、これもじょーだんだってば」 京太郎「な、なんだぁ……」ヘナヘナ 塞「ごめんごめん、須賀くん弄りやすいからちょっと意地悪しちゃった」テヘッ 京太郎「可愛いんだよこのやろぉぉぉおおお!」(ちょっとの基準おかしいでしょ!?) 塞「えっ」 京太郎「あっ」 塞「……///」カァァ エイスリン「コレ!」つ|十二人が仲良くしてる絵| 京太郎「ほえー良い絵っすね!」 エイスリン「!」コクッコクッ エイスリン「アリガトウ!」 京太郎「こちらこそ、ありがとうございます」 豊音「それじゃ、そろそろ帰るねー」 塞「後でシロしょっ引いてくるからー」 胡桃「おやすみー」 エイスリン「」フリフリ 京太郎「おやすみなさい!」 京太郎「ふぅ……」ズズッ 京太郎「ワカメスープおいしい」 ジーッ 白望「須賀くん?」 京太郎「あっ、小瀬川さんですか」 白望「……」ドサッ 京太郎「小瀬川さん!?」 白望「寝袋……あったかい」 京太郎「はぁ……」ズズッ 白望「……」ジーッ 京太郎「……」ズズッ 白望「……」ジーッ 京太郎「……飲みます?」 白望「…………うん」コクッ 京太郎「はい」 白望「ありがと……」ズズッ 白望「……あったかい」 京太郎「ですねー」ズズッ 白望「ふぅ……」 白望「……ありがと」 京太郎「さっきも聞きましたよ」 白望「……そうじゃなくて」 白望「みんなをここに連れてきてくれて」 京太郎「それは小瀬川さんがいたからじゃないですか、俺と小瀬川さんがそっくりだったから」 白望「……シロ」 京太郎「はい?」 白望「シロでいい」 京太郎「……」 白望「京太郎?」ハテッ? 京太郎「わかりました……シロさん」 白望「ん……それでいい」 白望「……みんなと楽しくするのはだるくない」 白望「だから、ありがと」 京太郎「いや、そんなこt」 スッ←指を唇に当てる 白望「……それ以上はだるい」 白望「……ね?」コテッ 京太郎「」ドキッ 白望「……それじゃ、おやすみ」 京太郎「おやすみなさい」 白望「すぅ……すぅ……」 京太郎「…………」 京太郎「ってちがーう!」 京太郎「シロさん!そこ俺の寝床ですから!」ユッサユッサ 白望「すぅ……すぅ……」 京太郎「寝るのはやいな!」 白望「ん……」ゴロッ 京太郎「……はぁ」 京太郎「シロさーん、起きてくださーい」ツンツン 白望「……すぅ……」プニプニ 京太郎「シロさーん……」ツンツン 京太郎「……はぁ」 京太郎「どうすりゃいいんだよ……」 白望「…………すぴぃ」 京太郎(とりあえず現状を把握しよう) 白望「すぅ……」 京太郎(俺は今テントの中にシロさんと二人っきり) 京太郎(シロさんは寝袋の上で寝息を立てている) 京太郎(そしてシロさんのおもちはというと……) 白望「ふにゃ…………」タユン 京太郎「落ち着け……落ち着くんだ」 白望「ん……」モゾモゾ タユンタユン 京太郎「…………」ジーッ 京太郎(……触りたい!) 京太郎(こらえるなんて無理だろ!触りたい!どうせなら揉みたい!) 京太郎(こう、ちょっと指で触るくらいなら……)ススッ 白望「すぅ……きょうたろぉ……」ゴロッ 京太郎「」 京太郎「……」ジーッ 白望「……んぅ」パサッ 京太郎「浴衣がはだけている……だと?」 京太郎(嗚呼、シロさんの肌白いなぁー……) 京太郎(ってそうじゃない!どどどどうしよう!心なしか突起も見えるような気もするし!) 京太郎「くそっ!くそっ!」モンモン 白望「………ん…」ギュッ←チビエトペンを抱きしめる 京太郎「くっそエトペン!小っちゃくなってまでそんな役得だと!ふざけるな!」 エトペン「」モギュッ 京太郎「まあいい、お前のおかげでシロさんのおもちが強調されて大変すばらなことになっているからな」 京太郎「…………」 京太郎「ちょっとだけならいいよな……うん」 京太郎「できる!俺ならできる!俺はやればできる子!」 京太郎「よっしいくぞー!ぽちっとな!」フニッ 白望「んっ!」ビクッ 京太郎「!」ビクッ 京太郎(まさか起きちゃった……とか?) 京太郎「…………」ジーッ 白望「……すぅ」 京太郎「…………ほっ」 京太郎「うん無理!」 京太郎「くそっ俺の意気地なし!」 京太郎「とりあえず風邪引くとあれだから上着でもかけて」ササッ 白望「……んぅ……」ギュゥッ 京太郎「よーしパパ、頑張って逃げちゃうぞー」 京太郎(今日どこで寝よう……) ピピピピッ 久「何度?」 京太郎「39.6度です」 優希「風邪なんてタコスを食べれば一発だじぇ!」 京太郎「そもそもお前は風邪引かないだろ」 エイスリン「バカ!」 塞「そういうのはもうちょっとオブラートに包んでね、例えば……」 胡桃「何とやらは風邪を引かない!」 塞「みたいな?」 エイスリン「!」コクッ 優希「なんかバカにされたじぇ……」 豊音「それじゃあここで問題だよー!」 トシ「デデン!」 豊音「何とやらとは、何のことでしょーか?」 トシ「チッチッチッチ」 エイスリン「ピンポーン!」 豊音「はい、エイスリンさん!」 エイスリン「バカ!」 優希「なんか二回もバカにされたじょ……」 京太郎「げほっげほっ!」 まこ「きつそうじゃのう、これでもいるか?」つふえるワカメ 咲「それじゃあこれも」つ油揚げ 和「はい」つ味噌 京太郎「もう味噌汁作ればいいじゃん!なんでそんなん持ってんの!」 久「須賀くーん、鍋借りてきたわよー」 京太郎「病人に作れと!?」 京太郎「もうテントに帰りますね」 久「そう、何かあったら連絡頂戴ねー」 京太郎「何この普段悪そうな人が優しさを見せた時のほっこり感」 久「まあ出るかどうかわかんないけどねー」 京太郎「いつも通り悪人だよアンタ!」 京太郎「忘れてた……」 白望「京太郎……?」 京太郎「起きてはいたんですね」 白望「……」コクッ 白望「……どうしたの?」 白望「顔、赤い」 京太郎「どうやら風邪を引いてしまったみたいで」 白望「……」ピタッ←額と額を合わせる 白望「……」 京太郎「……えっ」 京太郎(シロさんの顔、こんなに近くに……) 京太郎(吐息まで伝わってくるし、やっぱり綺麗な顔だな……)ゴクリ 白望「……熱い」サッ 京太郎「うつるんでシロさんもホテルに戻ってください」 白望「だるい」 京太郎「だるいって、こんな状況でですか」 白望「……だから」ギュッ 白望「一緒に、寝よ?」 京太郎「……はぁ?」 白望「これなら、私もあったかい、京太郎もあったかい」 白望「……だるくない」 京太郎「だるくない、ってシロさんに風邪がうつったらどうするんすか」 白望「……京太郎の風邪なら、大丈夫」 京太郎「いやいや、それに俺は男子高校生ですよ?シロさんに手を出すかもしれないんですよ?」 白望「……信じてる、じゃ、ダメ?」ウワメヅカイ 京太郎「…………」 京太郎「あーもう!」 京太郎「本当に知らないっすからね!」 白望「……ありがと」ギュッ 京太郎「お礼を言うのはこっちですよ」 白望「違う、上着の方」 京太郎「あー……あんなのどうってことないっすよ」 白望「……そう」ムギュゥ 京太郎「シロさん!?力強めてますよね!」 白望「……だるい」 京太郎「あれ?なんか逃げられたぞ?」 白望「……京太郎?」 京太郎「……ぐぅ……」Zzz 白望「……」ツンツン 京太郎「ぐにゅ……」プニプニ 白望「……ふふっ」 白望「…………」ギュゥ 白望「……ありがと」ムギュゥ 白望「……」ツンツン 京太郎「ん……カピ……」ズイッ 白望「えっ……?」 チュッ 白望「…………///」カァァ 京太郎「……カピ……」 白望(……ペット?) 白望「……///」モゾモゾ 白望「……」スッ←自分の唇に指を添える 白望「…………///」カァァ 白望「…………」チラッ 京太郎「ぐぅ……」 白望「!」バッ 白望「……」チラッ 白望「…………」 白望「……だる」 白望「……でも」 白望「だるく……ない?」 白望「…………」 白望「……///」 白望「……はぁ」 白望「どうすればいいんだろ……」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 大竹「次の方どうぞ!」 京太郎「こんにちはー」 白望「……」 大竹「婚約指輪はかんぴょうです」 ワハハハハ 大竹「えー、友だちがそっくりさん、誰の?」 京太郎「何も育たない園城寺怜さんです!」 大竹「それではそっくりカップルの友だちのそっくりさん、どうぞ!」 ワァァ! カン!